パパ活JKの弱みを握ったので、犬の散歩をお願いしてみた。   持崎湯葉(ガガガ文庫)



匂いフェチのパパ活JKと、お疲れサラリーマンが贈る、新感覚ドタバタラブコメディストーリー。
大枠としては年の差ラブコメですね。家庭環境に問題を抱え、周囲と壁を作っている難しいお年頃なヒロインが
犬の愛らしさと主人公の包容力に癒されながら、彼らを起点に交友関係を、世界を広げていく。
癖のある登場人物たちが繰り広げる、ドタバタで愉快な日常模様を軸にした成長物語が描かれています。
パパ活JKを脅迫という不穏さ全開な出だしから始まったとはとても思えないノリの軽さが読みやすさ抜群かと。
また、パパ活をしているがゆえのトラブル発生など、コミカル一辺倒ではないのも緩急がきいていてグッド。
ラブコメ面は今のところ進展なし。ヒロイン側はJKとOLが仲良く火花を散らしていますが…

主人公は同じマンションに住むお隣の娘さん、香月乃亜がパパ活をしている決定的瞬間を目撃。
それを黙っている条件として、犬の散歩を要求したデザイナーとして勤務しているアラサーの会社員。
お節介焼きで人当たりがよく、物腰穏やかで温厚な性格だが、押しに弱いところがある。
その一方で、仕事に対しては真摯で、時には頑固な一面を見せる時も。
色恋には草食系に見えるが、本編開始一年前くらいまで同棲していた女性がいる。

ヒロインはパパ活JK、人懐っこい後輩、要領の良い姪っ子JS、M気質な王子様JK。
一番のお気に入りは新卒二年目な主人公の職場の後輩である二十四歳、花野日菜子。
髪は茶色のボブカット、大学生にも見える少し幼い顔立ちの美人。
明るく人懐っこい性格で、いつもテンションが高いためかどこか残念臭がする。
求められることが嫌いではないため、会いたいとか相談に乗ってと言われれば躊躇なく行くタイプ。
座右の銘は「過去は安い本と同じ。読んだら捨ててしまえば良い」
実は学生時代、赤く染めた髪を振り回し、毎日アロハシャツで学校に登校する不良だった。

現時点(二巻)においての評価はC。
主人公がキチンと良い意味での「大人」をしているのがいいですね。
乃亜を一人の人間としてちゃんと尊重しつつも、未熟な子供として暖かく見守り、時には手助けする。
そりゃ乃亜を筆頭としたヒロイン陣も惚れてしまうよね、と納得できますし、ニヤニヤもできます。
まあ、そんな主人公に対するヒロイン側はメインヒロインである乃亜からして癖がかなり強いのですが。
臭いフェチってだけでもかなりアレなのに、重度の加齢臭好きとか業が深すぎる…!
主人公がラキスケという名のセクハラを働くのではなく、ヒロインが逆セクハラを行うというのが酷いw
本筋はなんだかんだでアラサー会社員な主人公に恋する乙女となったパパ活JKですが
彼女の家庭環境や、主人公の部屋に入り浸っていることなど、未だ爆弾は残っており…?