駅徒歩7分1DK。JD、JK付き。   書店ゾンビ(オーバーラップ文庫)



サラリーマンとJD、JK。そんな3人が1DKから始める、ホームラブコメディストーリー。
大枠としては同居生活ものですね。一軒家やアパートで大勢のヒロインたちと一つ屋根の下生活系とは違う
最近ひとつのジャンルとして流行しつつある、独身社会人がJKと一緒に暮らす話なわけですが
この作品は更にJDが加わっています。この「子供とも大人とも言えない微妙な年頃のヒロイン」の存在によって
他の同ジャンルの作品とは異なる独特の暖かな雰囲気ができているのがいいですね。
この三人だからこそと言える、絶妙な距離感で形成されている何気ない日常の中の疑似家族模様に和みます。
ラブコメ面は一巻ラストでヒロインの片方が抜け駆けでキスをするという大きな動きがありましたが…?

主人公はひょんなことから1LDKで女子大生と女子高生の二人と同居生活をおくることになった
IT企業勤務の仕事に忙殺されている二十六歳のサラリーマンの青年。
察しはいいが無神経かつ大雑把とマイペースな性格で、デリカシーがなく生活スタイルも割と粗雑。
来るもの拒まず、去るもの追わず、御意見無用が変わらない基本姿勢。
趣味は読書と映画、特技は先延ばしとぼうっと待つこと。人と予定を合わせるのが得意ではない。

ヒロインは幼馴染なJD、明朗快活なJK、クールな同期。サブに弁護士な元カノ
一番のお気に入りは入居先が決まるまで主人公の家に同居することになった幼馴染の十九歳JD、黒森詩織。
黒髪ロング、理知的な瞳、起伏に富んだ身体、目元までかかる前髪と口元のほくろが特徴的な美人。
優柔不断だが、優しく落ち着いた控えめな性格で、口数が少なく、笑う時も人目をはばかって笑うタイプ。
ゲーム好きで、大学では現代ゲームサークルに所属している。
運動が苦手だが、料理をはじめとした家事能力に優れており、更には気配り上手と嫁適性が高い。
主人公が初恋(小学生の時)の相手で、最初の失恋の相手でもある。

現時点(二巻)においての評価はC。
社会人が赤の他人である未成年の異性と同居。この社会通念上アウトな状況が物語の前提としてある以上
避けては通れない「バレたら主人公は犯罪者」という事実がいつ悪影響を及ぼすのかという独特の緊張感。
そして赤の他人同士だからこそ必ず近いうちに訪れることになる「別れ」という結末の寂しさ。
この二つの懸念が常に付きまといはするものの、話そのものはいたって平和かつ穏当に進行していきます。
キャラに関しては、決して情に厚いというわけではないけれど、対応はしっかりとしていて
変にヒロインたちを意識しない、ちゃんとした大人としての姿を見せてくれる主人公が好感度大。
核となるヒロイン二人は正に静と動といった感じで対照的ですが、だからこそバランスが上手く取れている印象。
本筋は順調な同居生活をおくりながらも、同居バレ、JKの家庭環境、恋愛模様と爆弾もあって…?