神殺しの魔王、最弱種族に転生し史上最強になる えぞぎんぎつね(GA文庫)
元最強魔王が最弱の人族に転生し、神殺しに挑む無双冒険譚。
大枠としては同世界の未来(この作品の場合は五百年後)への転生ものですね。
現代では劣等&最弱と蔑まれる存在となるも、前世の力を引き継いだがゆえに最強! そして無双!
と、わかりやすいお約束的最強設定ゆえに爽快感抜群の主人公の冒険譚が楽しめます。
古代竜に勇者と、仲間も強者揃いなのでフラストレーションがたまる展開も少ないですしね。
ラブコメ面は今のところ嫁候補が一人(主人公にその気はない)ですが、さて。
主人公は魔神との戦いに敗れ、五百年後の世界に人族の青年として転生した史上最強の魔王。
転生後は肉体に精神が引き摺られることもあるが、基本的には大抵のことには動じず、他者に媚びずと
正に王たる存在を体現しており、誰よりも自分が王だと知り、そうあろうと生きている。
気に入らない者や敵対者には容赦がないが、気に入った者に対しては甘く優しい。
前世の頃、何度も色仕掛けを仕掛けられていた経験から、色恋への欲求が薄いところがある。
ヒロインは勇者なエルフ王女、ファザコン義娘。
二巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。
現時点(二巻)においての評価はC。
こういう過去の存在が未来へ転生するタイプの話は時代の推移による常識の変化に適応できない主人公が
無自覚に騒動を巻き起こし、近しい者に心労をかけるというのがお決まりの展開になっていますが
この作品の場合、主人公が理知的で間の抜けたところがないため、上記のようなことが起きません。
勿論、並外れた力を見せて周囲を唖然とさせることはありますが、それは確信犯でやっているので
格好いいだけですし、また、そんな彼と行動を共にする仲間たちもただのお時&解説要員にならず
それぞれの役目が用意されており、ちゃんと活躍する場面があるのがグッド。
ストーリーや世界観の構成もあわせて完成度が高いというか、粗が少ないのでスルスル読めます。
本筋は現魔王にとりついた魔神を撃破し再び魔王に就任した主人公ですが、彼に恨みを持つ父親が動き始め…?