外れスキルの追放王子、不思議なダンジョンで無限成長   ふなず(角川スニーカー文庫)



ダンジョンの遺物で成り上がる、外れ王子の最強逆転ファンタジーストーリー。
無能と判断されたがゆえに元居た場所から追い出された主人公が成り上がっていく、いわゆる追放ものです。
他にもダンジョン攻略や同じ王族である兄弟たちとの確執からなる争いといったバトル要素。
そして、辺境開拓という内政要素もあったりと、色んな展開が贅沢に詰め込まれていて退屈しません。
しかしこの国の王族、ほとんどが救いようがないというかアウト過ぎる。何故滅びないんだこの国…
ラブコメ面は今のところ進展なし。というか現状主人公に結婚の意思がないわけで。

主人公は無能の王子と嘲られ、領主とは名ばかりで何もない辺境へと追放されるも
そこで何度死んでもステータスを初期化してやり直せる不思議なダンジョンに足を踏み入れ
外れスキル「劣化無効」によって急成長を遂げ、辺境の地を開拓していくこととなる王国の第十二王子。
ずっと虐げられてきたため、王族でありながらも特権意識は持っておらず、人並に人情も正義感もあるが
それゆえに悪魔の一族であるボースハイトの血をひいていることに引け目を感じている。
また、責任感の強さと上記のことが合わさって、背負わなくていいものまで背負いがちなところがある。

ヒロインは負けん気の強いエルフ姉、お淑やかなエルフ妹。
一番のお気に入りは奴隷商から助けてくれた主人公に信頼を寄せる双子エルフの妹、シーラ・ルンベック。
サラサラとしている長くて綺麗な金髪に宝石のようなブルーの瞳の料理上手な美少女。
思慮深く真面目で礼儀正しく、お淑やかで控えめな性格だが、芯は強い。心優しいが、たまに辛辣なところも。

現時点(二巻)においての評価はC。
チートなようで使いどころが限定されすぎなスキルを活用し、力や古代文明の遺産、仲間を手にいれて
自身に流れる憎むべき王族の血に負けず、己が信じる道を突き進んでいく主人公が格好良い。
しかしこの主人公、正に不幸中の幸いという言葉がピッタリの境遇である。
保持スキルを活かせるダンジョンを偶然見つけるという奇跡がなければ間違いなく詰んでましたし…
本筋は近隣勢力との交流や交易に成功し、徐々に領地を発展させていく主人公ですがまだまだ前途は多難。