元スパイ、家政夫に転職する 秋原タク(角川スニーカー文庫)
炊事洗濯にご近所トラブル、お悩み相談まで解決する元スパイのアットホームエンタメストーリー。
大枠としては一つ屋根の下での同居生活がメインになっているホームコメディものですね。
なお、よく見かけるテンプレ要素「ヒロイン側の面倒な背景やトラウマ」は存在しないため、ノリは軽め。
また、この手の話には珍しく主人公が初対面時点で同居人全員から好感を得ていますが
その理由が「亡くなった父親に似ているから」というのはご都合主義ながら説得力があり過ぎる…
同じような状況で人間関係に苦労する他作品の主人公たちが不憫になることこの上なし。
ラブコメ面は今のところ進展なし。三姉妹のフラグはガッツリ立っているようですが。
主人公は縁あって葉咲家の家政夫に転職することになった、秘密組織フルピースに在籍していた元スパイ。
顔立ちや甘い声、日系人特有の綺麗な黒髪が女性の乙女心を無性にくすぐってしまうらしく
生まれて二十年間交際経験はないが無自覚なレディキラー。それが原因で任務達成率10%を超えない
三流スパイと当人は落ち込んでいるが、その実、戦闘が想定されている任務に関しては達成率100%と
戦闘力は超一流であり、それゆえに「スパイ十指」の九番目「No.009」の地位を与えられている。
真面目で実直、任務に忠実な性格だが、知識はあっても一般常識と感性がズレているため天然気味。
日本の歴史の中でも侍と忍者が好き。趣味は特になし。
ヒロインはしっかり者な次女、男勝りな長女、引っ込み思案な三女。
一番のお気に入りは学校で「秋の令嬢」と呼ばれている高校一年生の葉咲家三女、葉咲秋樹。
三つ編みにした長い髪、分厚い黒縁眼鏡と地味目な見た目に反し、豊満な胸が特徴の文学美少女。
内気で引っ込み思案、照れ屋な性格をしており、そのため友達が少なく、願いは社交的になること。
外見の雰囲気通りの文学少女(特に推理小説)で、家ではよく書斎の読書スペースで本を読んでいる。
現時点(二巻)においての評価はC。
イケメン・鈍感・最強! と三拍子の揃った主人公の活躍と女たらしっぷりが見ていて気持ち良い。
元スパイらしい技能の披露やバトルアクションがあったりと設定が作中で活かされているのもグッド。
非日常にいた人間が日常の世界へ身を移したがゆえのトラブルというお約束もシッカリ抑えてありますし。
ヒロインである三姉妹も、最初からデレ度高めなのでストレスフリーで可愛らしさを堪能できます。
本筋は三姉妹との絆を深めていく中、元同僚が目の前に現れてきなくさい雰囲気に…?