キミに捧げる英雄録   猿ヶ原(MF文庫J)



エモさ爆発! 熱量10000%で贈る誰もが期待する少女×誰からも期待されない少年の英雄物語。
主役に憧れるも、誰からも期待されず燻っていた少年が端役で満足せずに主役という名の英雄を目指す。
という、逆境を乗り越えていく主人公のまっすぐな想いが溢れている王道の物語がとにかく熱い。
魔法が存在しない(特殊能力はある)がゆえに剣がメインとなっている硬派な世界観も良い感じ。
内容としては、どちらかというとバトルよりも人間ドラマのほうに比重が置かれている感じでしょうか。
ラブコメ面は今のところ進展なし。

主人公は英雄録に「主役(えいゆう)の一人」として名を刻んだ同郷の英雄に弟子入りを持ちかけられた
この世界の主役(えいゆう)に憧れている何の取り柄もない、誰からも期待されたことがない少年。
感性が豊か、素直で真っ直ぐな性格で、考えていることが顔に出やすいところがある。
気が弱く、大の臆病者だが主役に憧れる気持ちと根性は一級品。

ヒロインはクールな姉弟子。
一巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。

現時点(一巻)においての評価はC。
才能も周囲からの期待もないけれど、それでも光に手を伸ばそうと足掻く主人公を応援したくなる作品。
絶望や残酷、トラウマから諦めそうになるところから殻を破って前に進む彼の雄姿は胸熱の一言。
特に表紙と一巻クライマックスの挿絵の対比演出は最高にエモかったです。あとは絵力が足りていれば…
ツンデレに見せかけてお人よしなメインヒロインのシティや相棒の魔導書イゼゼエルも良い感じ。
端役は主役を引き立てるだけの存在。そんな「絶対」を覆すこの物語のワクワク感がたまりません。
本筋は「絶対」を覆して英雄録へと新しい名を刻み、広い世界へと冒険に旅立った主人公ですが、さて。