裏社会最強の男、終末異世界を愉しむ。 水城水城(MF文庫J)
規格外の高校生によるハードモード異世界ぶっ壊しストーリー。
大枠としては異世界召喚+デスゲームものですね。舞台となる異世界エンドベイルは人が魔族に敗北し
魔族が異世界から人間を召喚しては娯楽として無惨に殺戮していく、というディストピア。
召喚されるのは主人公だけではないのですが、当然一般人ばかりなので簡単に人死が起きます。
だからこそ、殺し屋としての経験と力を十全に発揮し、人間と魔族の力関係を覆さんと
魔族を殺していく主人公の凄さと異常性が際立ち、同時に爽快感を与えてくれるわけですが。
ラブコメ面は今のところ進展なし。ある意味では主人公と魔王は相思相愛といえますが…
主人公は異世界エンドベイルに召喚された、裏社会で「調整者」と呼ばれている高校生の少年。
死を恐れてないがゆえに常にふてぶてしく泰然とした物腰を崩さないクールな性格で
己の職務に忠実だが、逆を言えば職務の遂行のためであれば冷酷に他者を見捨てることも。
規格外の実力を誇るがゆえに苦戦らしい苦戦をしたことがなく、ずっと自分に相応しい場所。
相応しい相手を求め続けていたため、召喚された人間の中で唯一異世界での殺し合いを愉しんでいる。
ヒロインは天真爛漫な護衛対象、男勝りな人魔ハーフ、お淑やかな級友、元気印な級友。
一番のお気に入りは主人公の警護対象である黒天城塔子の友人、久木山紫織。
切り揃えられた前髪に、飾り気がなく楚々とした佇まいが特徴の美少女。
雰囲気といい物腰といい、名門女学園に通っていても違和感が内容な上品さと丁寧さだが
命懸けで友人を助けに動ける芯の強さ、そして実はオタクだったりと結構お茶目な一面を持っている。
現時点(一巻)においての評価はC。
一般人ならば絶望待ったなしなデスゲーム開催中のハードモード異世界に召喚(拉致)されながら
悲観せず、逆に笑って楽し気に心を躍らせ逆境を愉しむ主人公が頼もしすぎる…!
とはいえ「ハードモードの異世界さえも、彼には温すぎた」という謳い文句の割には苦戦が多い気がしますが。
まあ、多少の魔法が使えるとはいえ、あくまで知恵や己の肉体という人間のスペックのみで戦うわけだからなぁ。
そのくせ魔族側、特に上位魔族は攻撃も防御も理不尽なレベルですしね…
しかし主人公以外の召喚された人たちはマジでご愁傷様としか言いようがないなこの世界…
本筋は再会を果たした魔王の世界を壊すことを誓った主人公の物語が幕を開けましたが、さて。