執事なシツジと魔法契約   三門鉄狼(MF文庫J)



魔法使いのお嬢様、鷹宮姫乃の執事にされた主人公の、学園退魔ラブコメストーリー。
特殊な才能がある主人公が、我侭お嬢様の執事(下僕)になって生活を共にしつつ魔物と戦う。
というよくあるパターンの複合系な話ですね。良くも悪くも尖ったところがないというか。
ラストは苦難を乗り越えた末に姫乃と結ばれてハッピーエンド。
一応話としては綺麗にまとまってはいますが、多分打ち切りエンドですねこれ。

主人公はある日突然、学園でも有名なお嬢様から執事に任命された少年。
大のつくほどの巨乳好きで、結構自分に正直であり理性もそんなに強くはなく流されやすい。
が、鷹宮姫乃と出会ってからは、微妙に貧乳もアリの方向に傾きつつある。
責任感が強く、一度決めたことや受けた仕事はやり遂げようとする気概があり
本人は嫌がっているが、執事の才能があるのではないかと思われる。
魔力供給源としては史上類を見ないレベルの人材であり、他の人間では不可能な複数契約も可能。
本編開始までは一人暮らしをしていたため、家事全般は一通りできる。

ヒロインは貧乳お嬢様、巨乳お嬢様。
サブヒロインポジションに、二十四歳のロリ教師と毒舌メイド。
一番のお気に入りは巨乳生徒会長お嬢様、鷹宮朱音。
貧乳で幼児体型の鷹宮姫乃とは正反対に、巨乳でスタイル抜群であり、主人公の理想の女性。
姫乃と同じく、主人公を執事にしようと目論んでおり、自身の身体を使って誘惑してくる。
ただ、自分が主導権を握っているうちはともかく、逆に攻められたりするのには弱い模様。
従姉妹の姫乃とは犬猿の仲だが、喧嘩するほど仲がよい的関係。
普段は図太い神経を持っているように見えるが、私情と家の事情に挟まれて苦しんでいたりも。
ちなみに、お嬢様らしく家事はまるでできない。

評価はD。
好み(巨乳)の子振って我侭ツンデレ貧乳の姫乃を選ぶのはどうなんだ主人公。
現代日本ベースの世界観とはいえ、何のためのハーレム向け能力だったのかと。
それに二巻の朱音との契約はなんだったんだ。と、朱音推しの私は私怨で評価を辛くしていたり。
あと、最後の最後まで主人公が受身というか、巻き込まれただけの一般人ポジでしかなかったのもマイナス点。
ヒロイン側にどんな理由があろうと主人公が命賭ける理由はないですし。お前らの都合に巻き込むな感がなぁ。
それに、どれだけ懸命に動いても、決着をヒロイン任せにせざるをえないから読後に満足感を得にくかったですし。
素材そのものは悪くなかった作品だと思うんですけどね。
いかんせん設定に足を引っ張られて出足が悪かったのが敗因でしょうか。
もっと続いて世界観が広がれば、化ける可能性はあったと思うんですけどね。