限界超えの天賦は、転生者にしか扱えない   三上康明(富士見ファンタジア文庫)



全てを司る森羅万象者となった少年が、誰よりも大切な少女と再び出会うための冒険譚。
主人公の持つスキルが知識(情報)チート+ラーニングではあるものの、チート無双でイージーモード!
とはいかず、本人の努力や運があくまで大事というのは中々にしんどそうな設定ではありますが
それだけ地に足がついた物語になっているということでもあるので、読み応えは抜群かと。
重要要素である天賦(スキル)からして奥深い感じですしね。考察や想像が捗ります。
ラブコメ面は主人公がメインヒロインであるラルクに強い想いを抱いているのは間違いないようですが…

主人公は奴隷として生きてきたが、職場の鉱山が崩れたことを切欠に、転生者である自分だけが
扱うことができる星10の天賦珠玉「森羅万象」の能力を手にし、その後生き別れてしまった
姉貴分のラルクに再び出会うため、冒険へと旅立つことになった少年。
凶事の象徴とされる黒髪黒目であるため、故郷の家族からは忌み嫌われていた。
礼儀正しく理知的な性格で、お人よし。だが、イザという時の向こう見ずな行動力には目を見張るものも。

ヒロインは快活な姉貴分、無茶ぶりお嬢様。
二巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。

現時点(二巻)においての評価はC。
スキルの設定などがゲームっぽくはあるものの、正統派にして骨太な世界観にワクワクします。
主人公の第一目的が「大事な人との再会」と単純でありふれたものなのも共感しやすい。
一巻を読んだだけでも、この後に待ち受けているであろう様々な出来事への期待が止まりませんし。
キャラに関しては、最初こそ弱く無力ではあっても、確かな将来性を感じさせてくれる主人公がグッド。
実際、四年が経過した二巻ではかなりの実力者に成長していますしね。精神面はまだまだですが。
本筋は竜との死闘から四年後、聖王国で活躍するも素性がバレて再び旅へ。次の目的地は魔導帝国。