一年十組の奮闘 十文字青(MF文庫J)
能力者を集めた学校で、最底辺のクラスの所属する主人公等がおくるハイテンション・クラスバトコメ。
分類的にはスクールカースト&群像劇ものに該当すると思います。
主人公を含めた主要登場人物がクラス全員(十二人)なため、非常に賑やかな雰囲気ですね。
一人一人が個性的で、それぞれが固定ポジションを確保しているため、いらない子がいないのはグッド。
友情重視の雰囲気でラブコメ描写はやや薄めですが、その分要所要所での破壊力は高め。
ラストは世界の危機を救ったりと色々あったけどそれでも友情は続くよどこまでも風味エンド。
ラブコメ面は最終巻でほぼ触れられず。というかヒロインの出番&見せ場自体があまりなかったという。
主人公は最底辺クラスである一年十組に所属する学生。
保持能力はおよそ37センチ以内の人間を和ませる「平和主義者(ラヴ&ピース)」
能力故か、明るく、楽観的で人懐っこく、人に不快感を与えないタイプ。
喜怒哀楽が結構ハッキリしていて、どちらかというとツッコミ気質。
また、度の過ぎたお人よしであり、困っている人や悲しんでいる人を見捨てられない性格でもある。
運動や頭脳といった能力は高くないが、その人柄から、自覚こそないがクラスの中心人物。
ヒロインは絶世の美少女、チビっ子魔法使い、大食いボクっ子、不器用な我侭同級生。
他にヒロイン扱いではないものの、堅物委員長、ラッキーお馬鹿娘、ゆるゆる双子姉妹などのクラスメイトも。
一番のお気に入りは大食い眼鏡ボクっ子、真田部司。
保持能力はなんでも食べられる程度の能力「大食らい(メガイーター)」
物を食べ続けずにはいられないため、食べられるものがなければ皿でも食べる。
そして、食べるのをやめると、全体的に体格が減少してしまう。なのでいつも何かを食べている。
普段は口数が少なく、大人しい。キャラ的には素直クールタイプ。
クラスでのポジションは意外にも参謀。というか、他の面々がどう考えても頭脳労働向きではない。
評価はD。
主人公が良い意味での嫌味のないリア充なキャラなので、気持ちよく読むことができました。
キャラ同士の掛け合いも人数の多さに負けず和気藹々と楽しげで良い感じで、仲間達も皆いい奴ばかり。
残念異能を上手く使った集団戦や展開も特徴的で、飽きが来ませんでしたし。
……だったのですが、最終巻で雰囲気変わりすぎて評価をガクンと下げざるをえなかったです。
いや、友情要素はちゃんとあったし、主題そのものはブレてなかったとは思うのですが…
いかんせん、前面に出てるのが男ばかりでヒロインはほぼスルーというのは二巻までの流れ的にどうなのと。
最後も、ラスボスとの決着はほぼ力押しだし無理矢理感が強かったし普通に逃がしてるし。
とどうにもモヤモヤ感が残りすぎる詰め込みダッシュな終わり方だったからなぁ。
もうちょっと丁寧に巻数をかけてゆっくり物語を広げていけば問題なかったと思うんですけどね。そこが残念。