僕の軍師は、スカートが短すぎる 七条剛(GA文庫)
人の心を操るJKと、お人好しのサラリーマンが織りなす温かくも奇妙な、同居生活ラブコメディストーリー。
タイトルに軍師が入っているから戦記ものなのかと思いきや、現代日本が舞台の年の差ラブコメだった…
内容としては、メインヒロインである穂春が主人公の仕事上のトラブルを解決するための助言をする代わりに
事情があって帰れない彼女に衣食住を提供する、という利害の一致から始まる同居物語になっています。
力を発揮する場が戦争や政争でなかろうと、軍師は軍師。心理学に基づいた理論や行動で主人公を変えていき
社畜生活の改善はおろか、彼そのものの魅力まで上げていく穂春の手腕はお見事の一言。
ラブコメ面は今のところ進展なし。フラグは三本ほど立っているようですが…
主人公は女子校生穂春を拾ったことを切欠に、ブラック企業での社畜生活が一変することになったサラリーマン。
穂春を拾うまでは頼みごとを断れないが故に色んな仕事を引き受けてしまい毎日終電まで残業していた。
物腰穏やかで温厚、面倒見の良い性格で、誰かに怒りを向けるということ自体が苦手タイプ。
困っている人を見捨てられず、お節介なまでに他人の問題を自分の問題にしてしまうところがある。
色恋には無関心とまではいかずとも積極性はほぼ皆無で、下心で異性と接することはまずなく
そのため、意図せず相手を口説くような言動をとることも珍しくない。
特技は料理(妹のために勉強した)で苦手なものはお酒(グラス一杯飲んだだけで記憶がなくなる)。
ヒロインは人間心理に長けたJK、器量よしな後輩、気の強いアイドル。
サブに猫っぽいアイドルやブラコン妹なども。
一番のお気に入りは技術屋の多い開発本部で数少ない女性社員として頑張っている後輩、鴇田瑠衣。
スタイルがよく、ふんわりとした柔らかいウェーブのかかった髪を背中の辺りまで伸ばしていて
育ちの良さを感じさせる、柔和な物腰の、いるだけでその場の空気が優しくなるタイプの美人。
そこそこ要領がよかったがために本気で努力をしたことがなく、それゆえに社会に出てからそのツケが
回ってきて途方に暮れていたところを助け導いてくれた主人公のことを慕っている。
現時点(二巻)においての評価はC。
こういうわかりやすい説明で納得しやすいように理論立てた助言によって主人公が良い方向に変わっていく
という作風は大好物です。心理学という明快な理由付けがあるから成功の説得力がありますし。
キャラに関しては、最初こそ正に冴えない社畜といった感じだった主人公が穂春の助言を受けることによって
元々持っていた魅力も併せて男としての魅力を表に出し始めていく様にニヤニヤが止まりません。
言いなりになるだけではない、彼自身の能動性もシッカリと見て取れますし、そりゃヒロインズも惹かれますわな。
ヒロイン側も無自覚な恋心に戸惑う穂春を筆頭に、魅力的な娘ばかりで目移りしてしまいます。
本筋はアイドル事務所の社外取締役に就任し、仕事が増えた主人公ですが、さて。