最凶の支援職【話術士】である俺は世界最強クランを従える   じゃき(オーバーラップ文庫)



最凶の話術士による完全無欠の組織ファンタジーストーリー。
大枠としては冒険者(この作品での呼称は探索者)ものですね。主人公には最強を目指す!
という目標がありますが「最強」の定義を腕っぷし、つまり個人戦闘力に置かず、無敵の組織を作り
それを従えるトップになるという形で考えている点が一風変わっているところでしょうか。
主人公は支援職なので現実を見据えた選択ではあるのですが、この手の作品だと大体は支援職詐欺というか
結局自身も最強というパターンが多いので中々に新鮮。勿論自身が身体を張ることもありますが。
ラブコメ面は主人公が恋愛に重きを置いていないため、進展の見込みはなさそうですが…?

主人公は英雄と呼ばれた祖父の遺志を継ぎ、最強の探索者を目指す少年。
黒髪にハシバミ色の瞳、右目の下に泣きぼくろがあり、女顔で女性と間違えられることが多い。
極めて残忍で合理的な性格。戦闘指揮能力だけでなく、人心掌握術にも長け、話術を使った搦め手を得意とする。
最強の探索者になる、という誓いを果たすためならばどんな汚い手段であっても平気で使うが
全く人としての情がないわけではく、くだらない冗談を言ったりと、年相応に幼い部分も。
ただ、狡猾で執念深い蛇のような気質であるため、敵対する者には決して容赦をしない。
苛烈な気性に反して非常に自制心が強く、ストイックでもあるため、異性に興味が無いわけではないが
仕事以上の興味を抱けず、仕事の妨げになるだろう女性関係を徹底して避けている。

ヒロインはマイペースな斥候、天真爛漫な弓使い、独占欲の強い治療師。裏社会人なお嬢様が加入候補?
四巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。

現時点(四巻)においての評価はC。
まだ十代なのに覚悟ガンギマリでお前は任侠系ヤクザかと言いたくなるくらいのダークヒーローっぷりを
見せてくれる主人公が格好いい。最弱の支援職である話術士であっても知略や他力だけに頼らず
自身の肉体を鍛え続けているストイックさや、ダーティな手段を厭わない胆力も魅力的。
なお、主人公がこんなキャラをしているだけあって対峙することになる敵側もかなりクズ&外道揃いですが
最終的には彼がキッチリとカタにはめて犯した悪事の報いを与えてくれるので爽快感抜群。
ただ、その分主人公の味方サイドの人間の一部は心配&気苦労しまくりのようですが、仕方ないですな。
本筋は探索者の頂点を決める闘技大会において己の最強を示し、来る戦いでの指揮官の座を射止めた主人公。
しかしそんな彼の前に、祖父の死の元凶というべき悪魔が姿を現して…?