育ちざかりの教え子がやけにエモい 鈴木大輔(ガガガ文庫)
育ちざかりすぎる中学生とおくる、エモ×尊みラブコメストーリー。
中学生という、まだまだ子供でしかないとは言い切れず、しかし大人とも言えない微妙な年頃のヒロインを
主軸に置いている話なのですが、主人公が教師だから構図としてはかなりヤバイ雰囲気ですねw
学生の主人公と社会人(教師)のヒロインという組み合わせは最近増えつつありますし、そっちはそっちで
問題大盛りではあるのですが、男性教師×中学二年生女子というのは輪をかけてアウトである。
まあ、主人公は普通に良識がありますし、安易にJCと恋愛関係になるなんてことはないのですが。
ラストは椿屋ひなたがアメリカに旅立ってから一年と七ヶ月後、結婚式当日に花婿である主人公は
十六歳へと育ったひなたに式場から攫われながらもエモさを感じるのだったエンド。
ラブコメ的には同僚である藤本明日香と結婚式をあげるも、彼女の意向で婚姻届けは出しておらずと
主人公を本当の意味で手に入れるための女二人の戦いが開幕し、終了。
主人公は昔からのお隣さんである椿屋ひなたのクラスを担当することになった新米教師の青年。
真面目で責任感が強く、理屈っぽくてややお堅い性格だが、面倒見は良い。
若手過ぎて貫禄に欠けるが、穏やかで落ち着いた授業姿勢が保護者にも評判。
ヒロインは発育の良いJC、元先輩な同僚教師。
一番のお気に入りは大学時代の二個上の先輩にして現同僚の英語教師、藤本明日香。
ショートカットの、いかにもな清潔感とデキる女っぽい風格を備えている美人。
大学の成績は優秀、英語教師の内定が出るのも早かったりと、外見の印象通りのスペックの持ち主で
きびきび&てきぱき&さばさばが身上だが、デキすぎて近寄り難く、男が寄り付かないタイプでもある。
お酒が大好き。運動神経抜群で、球技全般がことさら得意。
主人公とは大学時代所属サークルの先輩であり、そして短い間だけ恋人として付き合っていた。
評価はC。
中学生という、大人と子どもの間で揺らぐ、この瞬間にしかない輝きを上手く表現している作品。
独特の雰囲気があるというか、確かにこれはタイトルの通り、エモいとしかいいようがなかったですね。
メインヒロインである椿屋ひなたの思春期特有のアンバランスな魅力がこれでもかと文章の中に溢れていました。
と言っても、教師である主人公の立場からすれば気苦労山積みでご愁傷様の一言でしたが。
本筋は結局のところ、どこまでも椿屋ひなたに周囲の人たち(読者含む)が終始振り回されていた印象。
それを良くも悪くも象徴していたのがラストシーンだったかと。まさか花婿泥棒オチとは…