紙山さんの紙袋の中には   江ノ島アビス(HJ文庫)



どこか残念な美少女たちとの学園青春ラブコメストーリー。
大枠としては特殊部活動ものですね。と言ってもこの作品に登場する「会話部」はヒロインのコミュ障を治す
という立派な設立名分がありますし、実際活動もその名分に沿ったものなので健全ではあるのですが。
まあ、部員たちの意欲はともかく、客観的には駄弁って遊んでいるだけなんですけども、気にしたら負け。
環境的には美少女三人に男一人と主人公がハーレム状態なわけですが、全然羨ましくならないのが凄い。
何せ女性陣が悉く人としてヤバイと評して差し支えないレベルで残念ですしね。
ただ一人の常識人として変人たちの奇行のフォローに動かないといけないとか、主人公の心労が半端なさそう。
ラブコメ面は今のところ進展なし。

主人公は入学初めてのホームルームで見た目からして明らかにヤバい女子である紙山さみだれの後ろの席に
なったことが切欠で、彼女の人見知りを治すために「会話部」を立ち上げることになった少年。
面倒くさがりな性格で、普通の平穏を望んでいるが、なんだかんだ人の好さから厄介事に巻き込まれがち。
常識人であり、コミュ力も普通にあるが、一緒にいる面々が変人ばかりなため巻き添えで距離をとられている。

ヒロインは人見知りな紙袋娘、制服好きな委員長、勝気ツンデレな級友。
一番のお気に入りは友達を欲しがっている常に紙袋を頭に被っているクラスメイト、紙山さみだれ。
肩口くらいまで伸びたセミロングの黒髪に、百八十センチ超えの高身長、高校生離れしたグラマラスボディ。
そして、頭に被った素顔を隠す紙袋と、目を惹く特徴しか見当たらない美少女(?)。
極度の恥ずかしがり屋にして人見知りな性格で、人と話すことがとても苦手と典型的なコミュ障。
話しかけられたり注目を集めたりして緊張すると大汗をかいてしまい、場合によってはパニックを起こすことも。
そのため、頑張り屋であるにもかかわらず、いつも空回って失敗ばかりしている。

現時点(二巻)においての評価はC。
何と言ってもこの作品の特徴にして看板はメインヒロインである紙山さみだれの存在。
高身長、ドスケベボディ、人並外れた怪力、いつもびしょ濡れな身体、どんな時も頭に被っている紙袋。
もう色物という言葉では足りない濃さなんですが。そりゃこんな娘が前の席にいたら無視できるはずない。
他ヒロインも彼女に負けず劣らずの残念な特徴を持っていますし、こんな面子とガッツリ関わることになった
主人公には同情しかないですね。まあ、外面はいいから目の保養にはなるんでしょうけども…
本筋は一巻終了時点でタイトル回収は済み、二巻以降は他ヒロイン主役回を回していく模様。