ボッチのオタクである俺が、学内屈指の美少女たちに
囲まれていつの間にかリア充呼ばわりされていた　　　ネコクロ（講談社ラノベ文庫）



学園最強の美少女姉妹といきなり家族になってしまった少年の超正統派学園ラブコメストーリー。
ボッチでオタクな主人公が突然美少女たちと意図せずお近づきになってラブコメ展開へ！
という王道のストーリー構成になっていますが、底辺と思われていた主人公のスペックが実はかなり高かったり
ヒロインそれぞれにきちんとした行動理由や背景があったりと、話の展開に説得力があるのがいいですね。
ただ、そのせいもあってか、発生するトラブルイベントもガチで重めなのが難点でしょうか。
主人公の活躍という名のカタルシスのためとはいえ、かなりストレス強めな胸糞描写があるからなぁ…
ラブコメ面はヒロインたちから様々なアプローチを受ける主人公ですが、壁は厚い模様。

主人公はオタクで友達もおらず、クラスで馬鹿にされつつボッチ街道を驀進する日々を送っていた高校生の少年。
父親の再婚に伴い、学園でも有名な美少女姉妹が突然家族になり、その後同居生活をおくることに。
前髪で目が隠れているせいで根暗に見えるが、実際は隠れイケメンで、何気に料理が得意だったりする。
元々はリア充な人気者だったが、過去のトラウマが原因で人の目を避けるコミュ障になってしまった。
人の目を気にするせいで周りをよく観察しており、洞察力にも優れているが、他者の感情の変化をきちんと
捉えることが出来ず、よく思い違いをしてしまったり損得や先の事だけを考えて行動してしまうところがある。
趣味はラノベを読むこと、特殊なゲームをすること、アニメを見ること、プログラムを作ること。
実は業界では凄腕プログラマーとして大企業などからも仕事依頼が絶えない有名人。

ヒロインは才色兼備な義姉、人懐っこい義妹、ギャルお嬢様。
一番のお気に入りは母親の再婚を切欠に主人公の義妹となった高校一年生、桃井桜。
かなり低めの身長に加え、童顔のせいで見た目は小学生にしか見えないものの、胸はグラビアモデル並に
大きいのが特徴の、短めな黒髪を左右に結んだショートツインテールの美少女。
健気で心優しい性格をしており、常に人懐っこい笑顔を浮かべる天使みたいな女の子、かと思いきや
実際は警戒心がかなり強く、基本話しかけた人間から逃げ出すことが常だったりする。
しかし、普段人を遠ざけているがゆえか、一度懐けば凄く甘えるようになるタイプ。
約束を破られるのが一番嫌いで、破られた時の怒りの度合いは楽しみにしていた割合に比例する。
家事が得意で、家では家事を担当している。弱点は極度の方向音痴。

現時点（二巻）においての評価はＣ。
主要キャラ全員が過去や背景に色々あってそれぞれが何かを抱えている面倒くさい面子揃いではありますが
だからこそ、トラウマや問題が解決した時の爽快感が映える作品に仕上がっています。
全体的にテンプレ感が強いですが、逆を言えばそれだけ読み易い文章になっているわけですしね。
キャラに関しては、普段は地味だけど実はハイスペックで格好いいという主人公が何気に今時珍しい。
やる時はやる、という王道要素以外にもちゃんとモテる説得力が用意されているので納得しやすいです。
ただ、語り手としてはいちいち回りくどかったり言い訳がましかったりと読者に対してもコミュ障なのが難点。
ヒロインたちは第一印象が悪い娘が多いものの、ポテンシャル自体は高い面子揃いなのでデレてからが本番。
本筋はタイトル通り、環境の変化を切欠に美少女たちに囲まれるリア充街道へと突き進む主人公ですが
過去に色々あるようですし、それらの開示に伴って新ヒロインも増えていきそう。