六人のお嬢様戦争をオレだけが攻略できる 築地俊彦(ファミ通文庫)
六人六色のクセになるかわいいお嬢様との恋愛コメディストーリー。
物騒にも「戦争」という単語がタイトルに入ってはいますが、ギスギス感や殺伐さは大したことないです。
一応作品内の目的として、ヒロインたちの仲違いの解消が提示されてはいるものの、上記の通り
深刻さを覚えることのない雰囲気になっているので切迫感もなく、ほぼノンストレスでサクサク読めますしね。
ただ、一気に六人ものヒロインが登場する上、主人公とその妹が加わって主要登場人物が八人という
状況で話が進むため、良く言えばテンポがいいですが、悪く言えば地に足がついていない印象。
ラブコメ面は六麗全員に好意の大小の差こそあれどフラグが成立しているようですが…?
主人公は落第寸前の妹メグの家庭教師をしてもらうことを交換条件にお嬢様ソサエティー「六麗」の一人である
茜このはから「六麗の仲を元に戻してほしい」と頼まれることになった華凰学園に通う高校二年生の少年。
容姿普通、成績もそこそことスペック自体は並だが、父親の仕事の都合で世界中を引っ張り回され
様々なコミュニティに放り込まれた経験から、変に度胸が据わっており、ネゴシエーション能力が高い。
異性にも物怖じせず、ハッキリと物を言う性格で、粘り強い。あと、かなりのレベルのシスコンでもある。
好きなことは火をおこすこと。嫌いなものはサメとジェットコースター(過去のトラウマが原因)
父はほとんど家におらず、妹は心許ないことから料理をはじめとした家事は一通りこなせる。
父親に世界中連れまわされていた時に現地の少女たちと交流していたため、女性慣れはしている。
ヒロインは内気なお嬢様、意地っ張りなお嬢様、引っ込み思案なお嬢様、天真爛漫なお嬢様。
規則を重んじるお嬢様、皮肉屋ぼっちなお嬢様。サブに無邪気な妹。
一番のお気に入りは六麗の二にして膨大な土地を持つ地主の娘である先輩、松条琴絵。
軽くウェーブのかかった髪に、やわらかな瞳、そしていかにも上品な雰囲気を持つ癒し系な美少女。
極度の人見知り&引っ込み思案で、他人と話すのが苦手なため基本的に会話はスケッチブックで行っている。
丁寧で物腰も柔らかいが、困るとすぐにヤクザと噂される父親に頼ろうとするなど、意外とイイ性格。
性格上歌唱は苦手だが、楽器演奏は吹奏楽部顧問からスカウトがくるレベルで優秀。
喋る必要がないという理由から、動画や映画を見るのが好き。
現時点(一巻)においての評価はC。
ヒロインである「六麗」の問題や謎を解決するミステリー要素もありますが、それ自体は一巻で解決しますし
メインはやはり、個性豊かというか、クセのあるお嬢様ヒロインたちとの会話劇ですね。
ただ、いくらクセが強いと言えども、六人という多人数だとどうしても一人頭の描写量が少なくなり
魅力を引き出しきれていない感があるのが残念なところ。まあ、まだ彼女たちと主人公は出会ったばかりですし
一巻はあくまでキャラの紹介話でしかなく、次巻以降は一人ずつ主役回があると思われますが。
本筋は一巻終了時点でお嬢様戦争が解決したと言っても過言ではない状態なのですが、今後どうなるのだろうか?
ジャンルがラブコメであることを考えると、主人公を巡る争い(戦争)にシフトするのかな?