転生した社畜は異世界でも無休で最強へ至る 丁鹿イノ(富士見ファンタジア文庫)
元来持っていた社畜根性を炸裂させて来る日も来る日も修行に明け暮れた転生者の異世界転生大河冒険譚。
大枠としては異世界転生ものですね。チートスキルなどの付与はありませんが、両親がSランク冒険者なので
血筋によるポテンシャルは飛び切りであり、しかも主人公自身が社畜精神の持ち主で努力を苦にしないため
両親の英才教育も組み合わさって十二歳になる頃には無双できるレベルの戦闘者に成長しています。
当然バトルシーンでは積み重ねによって得た圧倒的な強さを見せつけてくれるので爽快感は抜群。
ラブコメ面は今のところ進展なし。一巻時点でかなりの数のフラグが立ってはいるようですが…
主人公はSランク冒険者の父と母の子供として類まれなる才能を持って異世界転生した元社畜。
元社畜ゆえの現状をありのままに受け入れる柔軟性(流されやすさ)と
目の前のことを何も考えずにこなしていく根気強さ(単純作業が大好き)の持ち主。
礼儀正しく謙虚でお人好し、怒ることが少ない温厚な性格で、平穏を望み、目立つことを好まない。
しかし、自分に降りかかる理不尽に憤ることはないが、危機に陥っている他者を見過ごすことができないため
問題ごとに首を突っ込みがちで、結果として方々で注目を集めてしまうことが多い。
特技は言語習得(前世の仕事で様々な国の言語を覚えなければいけなかったため)
ヒロインは凛々しきエルフ、健気な薬術師、無口な炎魔術師、ほんわか系幼馴染、押しの強い王女
他にも、村長の娘や人気受付嬢など、出番次第でヒロイン入りしそうな存在がチラホラと。
一番のお気に入りは炎魔術師の名家クリムゾン家の三女、ロゼ・クリムゾン。
燃え盛るような真紅の髪と瞳の、実年齢よりも幼く見える容姿の美少女。
基本的に会話が得意ではないため無口&無表情で、口を開いても必要最低限の単語で済ませてしまう。
ストイックで負けず嫌いな上、反骨心が強い性格で、中々素直になれないところがある。
セントラルの冒険者学校の入学試験において自分が魔術で破壊できなかった解析球を破壊した主人公に
ライバル心と憧れを抱いており、事あるごとに彼に突っかかっている。
現時点(二巻)においての評価はC。
肉体的な才能があって努力が結果に直結しやすいこともあってか、主人公がタイトルからイメージするほどの
狂気的社畜根性を見せることはないですが、努力による土台がしっかりしているのがいいですね。
当人の性格も謙虚でイキったところがないので素直に彼の活躍を喜び楽しむことができますし。
ただ、ヒロインの大半がピンチを助けてフラグ成立というのはワンパターン過ぎでは…?
好感を抱いてしまうのはわかるのですが、一巻時点での主人公は十二歳(前半はもっと下)なんですが。
本筋は国を言いように操らんとしていた魔族を撃破し、国の上層部に気に入られた主人公ですが
魔王復活の余波、勇者に選ばれて人が変わってしまった幼馴染など厄介事は次から次へと。