ジョブホッパーの魔導譚 フェアリーP(富士見ファンタジア文庫)
剣も魔法も料理も、なんでもできる万能ジョブで楽しく生きる! 異世界転生ライフストーリー。
大枠としては異世界転生ものですね。主人公はチート持ちですが、そのスキルは努力が大前提であること。
そして、実際に彼が赤ん坊の頃から弛まぬ修練を積み重ねていることがしっかり描写されているため
作中での有能さや活躍に説得力があり「チートでイキってるだけ」という不快感を一切覚えません。
そもそも、わかりやすさという意味では両親や幼馴染たちのほうがよっぽどチートに見えますしね…
ラブコメ面は今のところ進展なし。というか、まだ主人公の肉体年齢は五歳ですしね。
主人公は複数ジョブの変更が可能という特殊スキル「ジョブホッパー」を持って転生した日本人。
前世でも自分のやりたい職を転々としていたことから「ジョブホッパー」と呼ばれていた。
転職を繰り返してきた元社会人なだけあって良く言えば思慮深く慎重、悪く言えば保身的な性格で人見知り。
処世術や適応力に長けており、元重度のネットゲームオタクであったこととストレスを感じにくい性質から
成果が目に見えるのであれば地味で同じ作業の繰り返しを苦にしないタイプ。
チート無双に憧れてはいるが、自己顕示欲や英雄願望は薄く、無難に生きたいと思っている。
食べることが大好きで、料理の腕には自信あり(特に今世では「素材の極み」スキルのせいで至高レベル)
ヒロインは猫獣人な幼なじみ、純真素直な王女。
一巻の時点では特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。
現時点(一巻)においての評価はC。
タイトルの「ジョブホッパー」ですが、これはキャリアを積み重ねて収入や待遇がアップすることを目指し
短期間で転職を繰り返す人のことを指しており、この作品はそれをスキル化させているわけですね。
当然話としては主人公の成長過程がメインとなるわけですが、少々地に足がつき過ぎているというか
赤ん坊時代を含め幼少期が長いため、読んでいて退屈さを覚えてしまう部分があるのは痛し痒しでしょうか。
主人公のスキル上、どうしても派手さに欠ける感がある上、大きな目標が設定されているわけでもないですし…
まあ、その分両親や幼馴染たちが個性派揃いで存在感に溢れているのですけども。
本筋は一巻終了時点でまだ主人公は五歳と進行は遅め。そもそも将来の方向性自体決まってないですしね。
裏では邪神族が暗躍していたり、転生者な勇者(笑)がいたりと先行き不安な面も。