山育ちのドラスレさん 茂野らいと(角川スニーカー文庫)
奇跡の肉体を持った人類史上最強の男が世界の常識を塗り替える! 痛快爽快な異世界ファンタジーストーリー。
大枠としては異世界転移ものですね。一風変わっているのは、本編スタートが転移直後ではなく
転移してから十年後という点でしょうか。あと、主人公最強ものではあるものの、チートは持っていない。
というのも特徴ですね。まあ、十年間文字通り必死に努力したとはいえ、己の肉体だけでドラゴンを
倒せるようになっているあたり、フィジカル的な才能がチートだったと言える気もしますが。
内容は身体(筋肉)を張って強敵たちと渡り合う主人公! 底辺からの成り上がり! と爽快感は抜群です。
ラブコメ面は今のところ進展なし。メインヒロインであるリーリエのフラグは成立しているようですが…
主人公は十年前、ドラゴン蔓延る異世界の山に転移し、生き残るために極限まで己を鍛え続けた結果
気がつけば身に着けた筋肉と剛腕でドラゴンを仕留める絶対強者となっていた元普通の少年。
喜怒哀楽の感情表現が豊かで情に厚く、豪快で楽観的、良くも悪くも己の心に素直な性格をしており
気に入らない相手にはすぐ手が出てしまうが、説教はちゃんと聞く(でも同じことを繰り返す)
ある程度TPOはわきまえるものの、強敵を目の前にすると心が昂ってしまうバトルジャンキー気質。
ヒロインはハーフエルフ、クールな受付嬢。
一番のお気に入りは主人公たちが拠点とする街に存在するギルドの受付嬢、アリア。
銀色のロングヘアーとエルフ耳が特徴的な眼鏡美人。
規則破りを許さない真面目な性格で、常にクールな態度を崩さないためギルドマスターすらも頭が上がらない。
その一方で、周囲から馬鹿にされていたリーリエの味方であり続けているなど、心優しい一面も。
現時点(一巻)においての評価はC。
チートも魔法もいらぬ! 筋肉こそがパワー! と言わんばかりの主人公の活躍がとにかく愉快痛快。
そりゃ超マッチョが超重量武器を振り回せばそれだけで大概の敵には勝てますよね。
しかもこの主人公、見た目通りの脳筋というわけではなく、ちゃんと知恵と機転も有効活用しますし。
そこにヒロインにして相方であるリーリエのサポート魔法が加わるんだからもう手が付けられない。
しかし筋肉ダルマが主人公って、異色というかヒロインと並んだ時の構図がヤバすぎである。
本筋はスレイヤーの最高位である紫等級に昇りつめ、龍殺しの頂点を目指す!
という夢に向かって地道に頑張っていくことになるようですが、次巻以降仲間は増えるのだろうか?