サイコパスガール イン ヤクザランド 木質(オーバーラップ文庫)
ヤクザが恐怖で支配する街を舞台にした、復讐者の青年とギャル系口裂け女の痛快バイオレンス活劇。
復讐を動機としたヤクザ退治がメインに描かれています。オカルトがヤクザを蹂躙するというホラー性もですが
コミカル気味な絵柄に反し、残虐でスプラッタな殺害シーンの乱舞もバイオレンス感抜群でインパクト十分。
拷問もやったりと主人公側は決して正義とは言えませんが、相手が外道なので悪を撃滅する爽快感も文句なし。
やっていること自体は殺人でしかないのに、外面はエンターテイメント性に溢れているのが面白い。
ラブコメ面はポジション的に現状メインヒロインの徒花が圧倒的に優勢?
主人公はヤクザに両親を殺害され、自身も殺されかけたがゆえに復讐者となった青年。
過去の悲劇の後遺症で「完全記憶能力」を得ており、刑事だった父親の捜査資料を全て憶えている。
外見は十代後半で、温和というよりも気弱で地味な雰囲気を持つタヌキ顔。
真面目で冷静な性格で普段は物腰穏やかだが、復讐に対する執念と容赦のなさは尋常ではない。
無責任な大人が多い街で常に人として正しくあろうとした警察官の父を誇りに思い、尊敬している。
ヒロインはギャル系口裂け女、クールなツチノコ。サブに闇商人なメリーさん。
一番のお気に入りは昨今の擬人化ブームのせいで美少女化してしまった都市伝説、ツチノコ。
童顔、光の宿っていない灰色の瞳、背は百六十センチ程、オカッパというよりショートボブに近い色素の薄い髪。
そして、首から膝下までを覆ったヘビ柄のクロークがトレードマークの盲目巨乳美少女。
一人称が「吾輩」で、喋り方も古めかしく、物静かな性格。静かな場所でゆっくり過ごすのが好き。
匂いと波長で番を決めるという種族特性があり、主人公の匂いがお気に入り。
現時点(一巻)においての評価はC。
身体を溶かしたり、減圧したり、車で曳いたりと、絵面的に割とエグい殺害方法が描かれるので
その残酷さがやや読者を選ぶかもしれません。流石にこれは絵や日常パートだけでは中和しきれないですしね。
敵対相手がよくあるテロ組織やマフィアではなく、ヤクザという絶妙なリアリティもありますし。
キャラ関しては、一見気弱で頼りなさげでありながらも、冷静沈着かつ容赦なくに仇を苦しませんとする主人公が
正に復讐者といった感じのダークヒーロー感があって痛々しさを覚えるも格好良かったです。
そんな彼の相棒にして戦闘狂な口裂け女・徒花の暴れっぷりと、意外に乙女な一面も印象深いですし。
本筋は街に巣くうヤクザを壊滅させ、復讐を果たした主人公たちですが、悪は尽きず街の平和はまだまだ遠そう。
というか、一巻時点でストーリー的にやるべきことはやった感があるのですが、今後の展開や如何に。