家族なら、いっしょに住んでも問題ないよね? 高木幸一(GA文庫)
誘惑の多い同居生活と過去の恋。甘く、もどかしい青春ラブコメストーリー。
大枠としては同居ものですね。天涯孤独になった主人公が美人四姉妹と一つ屋根の下で暮らすことに。
という、それなんてエロゲと言いたくなるような設定の、ホームドラマ色の濃い話になっています。
勿論、同居生活もののお約束であるお色気ハプニングも露骨すぎない程度の頻度で完備。
なお、この手の話ではお約束の「同居を反対するヒロイン」担当はメインヒロインである三女なのですが
かつて主人公が彼女の告白を断ったことがある、という過去があるわけで、そりゃ反対するし気まずいわw
まあ、そもそもの話、女所帯の中に年頃の男を放り込むことをアッサリ受け入れるほうが異常なのですが。
ラストは少年と少女たちは心を通じ合わせ、そして心からの笑顔で新しい一歩を踏み出したのだったエンド。
ラブコメ的には主人公が次女と三女の二人とも好きになったと告白するも、結論は未来へ持ち越しで終了。
主人公は祖父の死によって天涯孤独となり、遠縁である草原四姉妹と同居生活をおくることになった少年。
真面目で礼儀正しく、間違いに気づく冷静さと、それを反省する謙虚さ度量の持ち主だが
アクシデントや押しに弱く、考えなしの失言をしてしまうことで状況を悪化させることもしばしば。
高校では祖父の死が原因で新たな人間関係を築くことに失敗し、現状友達は二人しかいない。
色恋には紳士的、というよりは恋愛感情というものがわかっていない。特技は料理。
ヒロインは真面目堅物な三女、クールな次女、パワフルな長女、元気印な四女。
一番のお気に入りはレトロゲームが趣味な主人公の一つ上の高校二年生にして草原家の次女、草原波月。
切れ長の目に、ふわりとしたショートボブの六四に分けられた前髪が特徴的な巨乳美少女。
マイペースで口調も淡々としており、普段は斜に構えてクールに振る舞っているが、根は感情的で子供っぽい。
計算通りにことを勧める、が信条であり、無理を押してでも予定は実行するスケジュールオタク。
自分を凡才だと認識しているため、天才である姉(長女)宙子にコンプレックスを抱いている。
女としての羞恥心は薄く、間接キスは気にしないし、主人公の前を下着姿で通っても平気。
評価はC。
タイトルにあるように「家族」が作中におけるテーマとなっている作品でした。
天涯孤独となった主人公を振り回しつつも優しく包み込まんとする四姉妹の醸し出す優しい空気感がグッド。
キャラに関しては、主人公がとにかく不憫すぎるというか、親族に恵まれてなさ過ぎで見ていてツラかった…
にもかかわらず、グレずに誠実で優しい人柄を保ち続けている彼には是非幸せになってほしいところ。
幸い、同居相手の四姉妹は皆それぞれに個性的ではあれど、皆性根が心優しく思いやりがあるので安心。
誰と結ばれても頼り頼られる素敵な義姉妹が三人できるわけですし、未来は明るいと言えるでしょう。
本筋は形こそ綺麗に纏まった終わり方ではあったのものの「え、もう終わり?」というのが正直な感想。
まだまだ色々なイベントができたでしょうし、そも、長女と四女は主役回すらなかったわけで…
そして結局名前も性別も不明なままだった主人公のもう一人の友人の存在も気になって仕方がないのですが。