俺の女友達が最高に可愛い。   あわむら赤光(GA文庫)



恋愛は一瞬、友情は一生? 友情イチャイチャ満載ピュアフレンド・ラブコメストーリー。
男と女の間に友情はあり得ない。情熱、敵意、崇拝、恋愛はある。しかし友情はない。
十九世紀の英国の作家オスカー・ワイルドの言葉ですが、どちらかというと個人的には賛成。
そういう意味では「理想の女友達との友情イチャイチャ」がテーマとなっているこの作品はというと…
正直脱帽というか、見事に男女間の友情を成立させていると感心するしかないですね。
お互い異性を意識することはあるし、周囲からどう見られているかもきちんと把握している。
その上で「この関係は彼氏彼女ではない、友達同士なのだ」という距離感が心地よい。
ラブコメ面は恋人以上と告白され済みの女友達がそれぞれいるというリア充状態ですが、さて。

主人公は高校入学で出会った御屋川ジュンと趣味の相性がピッタリ合って無二の親友になった高校生の少年。
多趣味に熱中するオタクだが、普通に友人はおり、決してぼっち気質でもコミュ障でもなく
基本的に空気は読めるし、自分の嗜好を他者に押し付けないという最低限の礼節も持っている。
オタクらしく平和主義であり、暴力を好まないが、こうと決めた時の度胸と根性は一級品。
本名である灰(アッシュ)がコンプレックスであり、対外的には灰(カイ)と名乗っている。

ヒロインは人気者な親友、豆腐メンタルな後輩。サブに学年一の美女。
一番のお気に入りは主人公のバイト先で彼から接客を教わっている後輩、布袋琴吹。
人よりも可憐な容姿に自覚的な、見るからに小生意気な顔立ちの美少女。
見た目通り小生意気で調子に乗りやすく、えらそうな言動が多いが、実はクソザコメンタルであり
バイトをはじめて最初の頃はパニックに次ぐパニック状態だった。
根が臆病で常に周りの顔色を窺っていることから意外に気が利いたりと憎めないキャラをしている。

現時点(二巻)においての評価はC。
趣味の合う女友達。ハッキリ言って恋人以上に希少性の高い存在なだけに、主人公が羨ましすぎる…
加えて、彼らって恋人同士ではないというだけで、恋愛感情がないとは明言されてないですし。
テーマを考えれば作中で主人公とメインヒロインの御屋川ジュンが恋人になることはないのでしょうが
それは二人が結ばれないこととイコールではないですしね。数年後、段階飛ばして結婚する可能性はありそう。
ただ、現時点ではあくまで友人同士という関係性なので、どうしても周囲の人間との認識齟齬があるわけで
その辺の人間関係の都合でいくつかのストレス展開(女性側の品定めや男側の嫉妬など)があります。
本筋は限りなく距離の近い女友達二人目をゲット。順番からすると次は学年一の美女回になりそうですが…