エロティカル・ウィザードと12人の花嫁   太陽ひかる(HJ文庫)



魔王の力を引き継いだ少年が美少女たちとHな魔法を極める、ハーレム学園バトルストーリー。
大枠としては学園異能バトルものですね。魔法使いが社会的に認知されている現代日本が舞台になっています。
魔法使いは色々と社会的な縛りが多い世界観であったり、凶悪アイテム「支配の指輪」の存在も踏まえ
話の方向性自体は真面目な感じではありますが、肝心の主人公の有する力がエロ魔法ということで
シリアスな空気になり切れない、しかしコメディというわけでもない中途半端な作風になっている印象。
ラブコメ面は未来で主人公が十二人の花嫁を得ることが確定しているので期待がかかるところ(現在三人)

主人公は東京の魔法学校に通っているも、適性のある魔法系統が不明で落ちこぼれていたが
放浪の魔法使いメリルに自身が魔王の転生体だと教えられ、それを切欠にエロ魔法に開眼した少年。
負けず嫌いな上、直情的で短絡的とその場の感情に振り回されやすい子供っぽいところがあるが
悪を許さない正義感と、他者のために本気で怒ることができる善性の持ち主でもある。
魔法使いに憧れているが、自分が魔法使いだったせいで両親が離婚した矛盾に苛まれており
気を許している先輩である土方楓に諭されるまでまともに魔法が使えないことに劣等感を覚え続けていた。
色恋には気が多く優柔不断とヘタレさが目立つも、急場では男らしさを見せることも。

ヒロインは正義感の強いお嬢様、面倒見の良い先輩、天真爛漫な魔女、正義の米国娘。
タイトルを見るに、ヒロインは十二人のようなので後九人は追加要員が登場すると思われますが…
一番のお気に入りは生徒かいと風紀委員と社会奉仕を兼ねた「レッドハート・ブレイブ」の団長、土方楓。
切れ長の目、女性にしては高い身長、ポニーテールの黒髪の凛々しい系巨乳美少女。
真面目で実直、面倒見がよく正義感や責任感も強い、と男前な性格をしている。
成績優秀、文武両道、品行方正と優等生な上、剣術という一芸にも秀でており、特異な切断魔法の使い手。
色恋では一途で真っ向から想いをぶつけるタイプだが、ハーレムを容認したりと意外に大らか。

現時点(二巻)においての評価はC。
謳い文句にある割に別に主人公は無双しないし、エロ要素も少年誌のお色気ハプニング程度しかない。
十八禁な性描写をガンガン入れろとまでは言いませんが、拍子抜けなんですよねエロ魔法…
上位級になると違うらしいので、話が進めば過激になる可能性はあるのでしょうが。
主人公にしても、良くも悪くも子供っぽい気性をしているので見ていてイライラすることが多いですし
ヒロインたちとの恋愛も過程が雑というか、ハーレム展開ありきの悪い意味でのご都合主義が強い。
作品全体に「なんか思っていたのと違う」という拍子抜け感が漂っているんですよね正直。
設定そのものは興味を引きますし、長く続いてこなれてくれば化けるポテンシャルはありそうですが。
本筋は奴隷の刻印に支配された十人の少女の解放とエロ魔法の修得を軸に進んでいく模様。