妹が魔女で困ってます。   星家なこ(MF文庫J)



孤島に存在する魔女育成学園を舞台に、ウィッチな妹たちとバトル&ラブコメする物語。
魔女(魔術の使える人間)は名前の通り、女性にしかなれないのですが、主人公は例外というお約束設定。
ヒロインが全員妹系な存在なので、妹属性な私としてはウハウハな作品だといえます。
ただ、肝心の主人公がちゃんと兄をしていないというか、煩悩多すぎたり情けなかったりなのが微妙なところ。
妹側も、少々露骨すぎるというか、妹の皮を被ったただの痴女みたいになってるキャラが多いですし。
ラストは妹たちは皆お兄ちゃんが大好き!エンド。
ラブコメ的には、あくまで兄と妹というスタンスが強いため、恋人云々決着には踏み切れなかった感じですね。

主人公は世界で唯一男の身で魔術を使える少年。
能力名は「魔女喰い(ウィッチイーター)」。魔女の攻撃を無条件で無力化し、吸収。
更に、吸収した魔力を相手の苦手な形に変換して放出することが可能。チート極まりない能力である。
かなりのシスコンであり、兄気質。認識的に相手が妹的存在であるならば、どこまでも優しく一生懸命になる。
しかしその実、欲情したり、女の子としてトキめいたりと、シスコンにあるまじき反応をすることも多い。
とはいえ、理性はそれなりにあるようなので、実際に(ギリギリのところで)手を出すようなことはしない。
寝起きがとても悪く、睡眠を邪魔する存在は無意識に人であれ物であれ抱き寄せて黙らせようとする。

ヒロインはツンデレ実妹、嫉妬深い義妹、無愛想な妹的存在、自分大好きな妹的存在、妄想豊かな妹的存在。
タイトル通り、妹系のヒロインばかりで、しかも彼女らの主人公に対する呼称はお兄ちゃん系統と私得。
一番のお気に入りは銀髪ツインテールな妹的存在、白天院瑠璃。
魔女の中でも最強格の「五帝」の一人で「白銀帝」の異名を持つ。
普段は無愛想かつ冷淡。気難しい性格であり、常に無表情で相手が誰であっても媚びることはない。
例外として、主人公に対してだけは無表情ながらも慕う様子を見せ、「兄様」と呼ぶ。
かなりピュアな精神をしており、内心がさりげなく仕草に表れたりと可愛らしいところも。
また、自己主張はハッキリしていて、嫉妬などはしないものの、所有権は主張するタイプの肉食系少女。

評価はD。
意外にシリアスな設定が多いのですが、メインは妹萌えです。
ただ、この二つの要素が見事にかみ合ってないのが大きなマイナス点ですかね。
シリアスの中に無理矢理妹萌えをねじ込んでいる風というか、シリアスのほうが明らかに前面に出てるんですよね。
一応本筋は伏線をちゃん回収して話としてはきちんとまとまってはいましたが…
やはり三巻完結ということで駆け足になっており、肝心の妹萌えがおろそかになっていた印象。
もっと日常シーンで妹の可愛らしさを引き立てるようなイベントに尺をとって欲しかった…
というか、ぶっちゃけこの作風ならシリアス要素いらなかったというのが正直なところ。