小鳥遊さんはラブコメ勉強中! 高橋徹(LINE文庫エッジ)
ウブで知りたがりのヒロインと、いっしょにラブコメを学んでいくちょっとエッチな甘イチャラブコメ。
大枠としては疑似恋人ものですね。珍しいのは主人公もヒロインも社会人であるという点でしょうか。
この手の「男女の色恋を勉強するために疑似恋人に」設定は中高生でやるのが普通ですし。
社会人だと冷静に考えて、学生時代何やってたんだよって話になりますからね…
まあ、ラノベなんだから「美人なのに恋愛沙汰とずっと縁がなかったヒロイン」がいてもいいのですが。
むしろ、大人なのに恋愛初心者! という要素がイチャラブにおいての強みになっていますしね。
ラブコメ面は小鳥遊璃子との恋人関係が成立し、タイトル的に考えても波乱なくこのまま進行しそう。
主人公はある日レンタルビデオ店でばったり会った同僚の小鳥遊璃子と流れで疑似恋人になった青年。
物腰穏やかで懐が広く、面倒見のよい性格。仕事では周りによく気を配ってできる限りのサポートをしたり
他者の悩みに親身になったりできる優しさの持ち主だが、中・高・大と女性に告白してはそのたびに
「良い人だとは思うんだけど」と言われ玉砕し続けてきたことがトラウマになっており、色恋には不慣れ。
ただ、好意を抱いている小鳥遊璃子に限ってはサラッと歯の浮くような言葉を吐くこともしばしば。
場の空気に流されやすいようでいて、相手を大事にしたいからこその自制心の強さを持つ。
ヒロインは知的な同僚。サブにからかい好きな同僚。
一番のお気に入りはテキパキと仕事をこなして皆に頼られている知的な雰囲気の漂う同僚、小鳥遊璃子。
鴉の濡れ羽色をしたボブカット、つぶらな瞳に眼鏡をかけた理知的な顔、低身長に反し豊満な胸を有する美人。
純粋で生真面目な性格で、先輩同期問わず全員に対して敬語を使っており、上司に対しても思ったことを
ズバズバ言うが、言動に嫌味が一切なく、また、素はどこか抜けていてリスのような小動物感があるので
クールで厳しいという思う者はいても、嫌な奴だと思う者はいない。むしろ密かに癒しの対象とされている。
当人は恋愛や性に興味津々なものの、その純粋さと外見ゆえに周囲がその手の話題や場から遠ざけてきたため
成人してなお男性との交際経験はおろか、恋心というものをよく理解できていないところがある。
仕事においては伝えたいことを要約するのが得意、物覚えがとても速い、フォロー能力も高いと非常に優秀。
好きなものは猫、漫画を読むこと。弱点はリズム感。食事の際、口いっぱいに食べてしまう癖がある。
現時点(一巻)においての評価はB。
主人公もヒロインも恋愛初心者ということで段階を踏んで初々しく、しかしブレーキは理性しかなく。
それゆえに見ている側はニヤけた顔で悶え転がるしかない甘々なお付き合いを楽しむことができます。
作者が官能ラノベ畑の人だけあって、エロスを感じさせるシーンも多いですし(現時点では直接的な描写はない)
ラブコメにはつきものの二人を引き裂いたり妨害したりな障害も皆無なのでストレスフリーで読めますね。
キャラに関しては、とにかくメインヒロインである小鳥遊さんがウブで知りたがり可愛い。
ここまで主人公が羨ましい、そこ代われ、爆発しろ! と思えるだけの魅力を持つヒロインがいるとは…
本筋は無事に恋人関係が成立し、次巻からは更なるイチャラブが楽しめそうで期待が膨らみますが
年齢を考えれば性行為にも踏み込んでいくだろうし、そのあたりの描写がどうなるのかも気になるところ。