剣神の継承者 鏡遊(MF文庫J)
異世界人である「ソーディ」に支配された日本を舞台にしたソードアクションストーリー。
剣の強さがすべて、という世界観なだけに人死についてはかなりガチ。
敵味方問わずネームドキャラがあっさり死にますし、主人公側も容赦なく相手を殺すので、緊張感があります。
まあ、そんな殺伐世界観の中でも肌色成分がやたらと多かったりと、サービス精神はバッチリなわけですが。
ラストは剣神の継承者となった主人公が全ての決着をつけ、戦いの日々は終わりを告げるのだったエンド。
ラブコメ的にはメインヒロイン二人と結ばれて終了。他ヒロインたちも主人公のもとに向かおうと動いていますし
将来的に、という前置きがつきますが、まあハーレムエンドといっても差し支えなかったかと。
主人公はソーディ社会の中で地位を手に入れるために、ソーディの集まる学院に通うことになった少年。
卓越した実力を持ちながらも、その思考は至って堅実的で、普通の未来を望んでいる。
普段は飄々として不遜。同時にセクハラ魔であり、息をするようにセクハラを働く。
ただし時と場所、相手はそれなりに選んだりと律儀で慎重なところも。あと、受けに回るとヘタレ。
また、やろうと思えばハーレムを作ることも可能な実力を持っていながらも、一夫一妻主義。
この手の作品の主人公には珍しく、明確な敵であれば、殺人をも厭わない。
ダブルヒロインとしてツンデレ幼馴染と不思議系メイド。あとは自由奔放娘、天真爛漫な弟子、貧乳生徒会長。
幼馴染なシスター、肉食系剣士、ロリババア医者、ぐーたら竜剣などがヒロイン枠。
一番のお気に入りは二年ぶりに再会した幼馴染、セフィ。
ソーディの権力者の娘だが、人格的にはいたって気さくであり、親しい人間の前ではただのおてんば娘。
基本的に単純な性格で、考えるよりも先に身体が動いてしまうタイプ。
趣味が料理と女の子らしいところもあるが、主人公に対してはツンデレ。
評価はB。
女だらけの環境に少数の男ということで、学園ラブコメになるのかな思いきや、学園生活は早々に終了。
ガチバトル重視で、人死が当たり前なデンジャラス系の話がメインで展開されたりと、かなり意表をつかれました。
それだけに、ラブコメ方面が割を食っているというか、描写量が少なめだったのは残念な点。
まあ、その分主人公が物怖じせずセクハラとからかいを頑張り、ヒロインたちの魅力や艶姿を引き出していたので
萌え成分やお色気描写といった華やかさに関しては不足はなかったんですけどね。
本筋は一巻から最終巻までひたすらバトルの連続で一気に駆け抜けていった印象が強いですが
毎巻クライマックスのバトルは文句のない盛り上がりがありましたし、ラストバトルも手に汗握りました。
ストーリーも見事にタイトルを回収した上での大団円でしたし、最終的な感想は、お見事の一言。