1LDK、そして2JK。   福山陽士(富士見ファンタジア文庫)



独り身のサラリーマンがJK二人と紡ぐ、ほっこり温かいホームラブコメストーリー。
大枠としては同居生活ものですね。肝心の同居相手がJK二人とか羨まけしからんにもほどがありますが。
しかも生活空間は1LDKと決して広くはないですし、当然お色気イベントもあったりともう役満である。
まあ、客観的には色々アウト過ぎて主人公の立場からすると、気苦労ありまくりではあるのでしょうが。
とはいえ、目の保養は勿論、女手の加入による衣食住の質の向上を考えるとプラス面のほうが多いわけで…
ラストは、2JKは1LDKから巣立っていき、そして青年は夢の続きを見るために一歩踏み出すのだったエンド。
ラブコメ的にはマルチエンド方式で三人のヒロインそれぞれと結ばれた未来が描かれて終了。

主人公は急に女子高生二人と暮らすことになった二十六歳独身サラリーマンの青年。
やや押しに弱く状況に流されがちだが、懐が広く困っている人を見捨てられない優しさの持ち主。
割と自分のことには無頓着で、一人暮らしをしていた時は独身男らしいズボラな生活をおくっていた。
学生の頃、本気で柔道に打ち込んでいた時期がある(挫折して辞めた)。
好みのタイプは黒色のストッキングが似合いそうで色気が漂っている大人の女性。

ヒロインは従妹のギャルJK、世間知らずな家出JK、大らかな幼馴染。
一番のお気に入りは主人公の会社の近くの喫茶店でバイトをしながら就職先を探している幼馴染、道廣友梨。
艶のある長い髪に大きな胸、そして口元の色っぽいほくろが大人な雰囲気を漂わせている美人。
大らかで優しく、お節介で人懐っこい性格をしているが、結構抜けているところも。
バイトを始める前の会社員時代、異性からの人気は高かったが当人は昔からずっと主人公一筋。

評価はC。
悩みを抱えた美少女JKたちとの同居。普通の成人男性ならばキャパオーバーになること間違いなしなこの状況。
羨ましいのは間違いないですが、イザという時の社会的ダメージを考えると絶対代わりたくはないですねw
キャラに関しては、年齢の離れたJK二人との同居生活に神経使いまくりな主人公にご苦労様の一言。
ただでさえ性別という大きな違いがあるのに、年齢差による価値観のギャップまであるわけですからねぇ。
まあ、社畜ではないし、同居人たちも協力的と他の同系作品の主人公よりは恵まれているのですが。
家庭環境に難ありながらも、変にこじれたところがない善良なヒロインたちの可愛さも申し分なかったですし。
本筋はスタートこそ波乱含みではあったものの、その後は軽い事件こそあれどほのぼのとした日常が描かれ
最終巻も劇的なクライマックスなどないしっとりした雰囲気のまま進んでそのまま完結したのが新鮮でした。
本編中では恋愛面に決着をつけず、マルチエンド方式にしたのも作風を考えるとピッタリでしたしね。