陰に隠れてた俺が魔王軍に入って本当の幸せを掴むまで 松尾からすけ(角川スニーカー文庫)
スカウト先の魔王軍で隠していた「本気」を出す、最強×ほのぼのファンタジーストーリー。
幼馴染が優秀かつ存在感抜群であるがゆえに日陰者として生きていた主人公が幼馴染から離れ
人間側から魔王側へと所属そのものを変えてしまうことで、本来の実力を発揮し、周囲に認められていく。
という主人公最強+魔王軍の内政(業務)改革を軸にした成り上がり系の話ですね。
人間側にいた時から本気出しておけよ、とは言ってはいけない。主人公の性格、面倒くさいですし…
ラブコメ面は主人公(父)セリス(母)アルカ(娘)という疑似家族状態な上、内堀も外堀も埋まりつつある模様。
主人公は完全無欠の主人公体質な親友の陰に隠れて本気出す気ゼロでぼっちな学生生活を満喫していたが
魔王軍からの襲撃を切欠に魔王軍の指揮官としてスカウトされ、改革を行っていくことになった少年。
黒髪で中肉中背と見た目普通、出自も普通。しかしその戦闘力は学生レベルを遥かに超えている。
常に親友レックスの陰に隠れる呪われた人生を嘆いているが、本気でそこから脱却しようとはしなかったりと
ひねていて適当な性格だが、なんでもできる親友と共にいるために必死の努力を積んだ経験があったり
学友たちを逃がすために迷わず一人で魔王に立ち向かったりと、根は仲間想いで熱い。
自分がそうだったことから、親を失くした子供のことを放っておけない性質。
ヒロインはツンデレサキュバス、純粋素直な義娘、小動物系な同級生。
一番のお気に入りは魔王軍幹部にして主人公の秘書を務めるサキュバス、セリス。
肩まで伸びた、少しウェーブのかかっている金色の髪にダークブルーの瞳を持つ巨乳クールビューティー。
真面目で堅物な性格をしており、口調も常に丁寧だが、主人公に対しては冷淡で毒舌。
反面、敬愛している魔王や愛娘であるアルカに対しては態度が柔らかい。
サキュバスではあるが男を誘惑するような言動はせず、むしろ純情。しかも料理上手と家庭的。
現時点(二巻)においての評価はC。
正直、主人公が陰キャ、やれやれ型の上から目線、ツンデレと見ていてかなりウザいタイプであるため
魔王軍に所属するまでの序盤を乗り切れるかどうかがこの作品を読む上のポイントになるかと。
それ以降であれば魔王軍の中でも臆さない能天気さやツッコミの軽妙さが良い味を出すようになるんですけどね。
相方兼メインヒロインであるツンデレサキュバスのセリスとのケンカップルぶりも微笑ましいですし。
本筋は魔王軍幹部たちの抱える問題を解決することで友好関係を結んでいき、架け橋になっていく。
という方向性で進んでいく模様。二巻終了時点で幹部二人から認められ、次巻は三人目の幹部攻略へ。
主人公を失い、深刻な状況になっている様子の親友及び人類側も気になるところ。