カノジョに浮気されていた俺が、小悪魔な後輩に
懐かれています 御宮ゆう(角川スニーカー文庫)
小悪魔ヒロインの素顔がかわいい、ちょっぴり大人の青春ラブコメディストーリー。
主要キャラたちが大学生ということもあり、謳い文句通りのちょっぴり大人な青春が楽しめます。
見ているほうが恥ずかしくなるくらいにお互いが素直な気持ちをぶつけあうような子供特有の青臭さはなく
大人びた、本心を隠した曖昧な態度で接してくるヒロインたちにもどかしさが募りますが、逆にそれがグッときます。
主人公が彼女に浮気され(しかもクリスマス直前)絶賛傷心中からのスタートと雰囲気は重めに見えますが
メインヒロインの志乃原真由が小悪魔系であることも手伝ってか、シリアス感はそれほど濃くない印象。
ラストは幸せにしたい女の子である志乃原真由と結ばれてハッピーエンド。
主人公はクリスマス直前に彼女に浮気され、無気力な日々を過ごしていた大学二年生の青年。
良く言えばクールで落ち着きがあり、悪く言えばぶっきらぼうで積極性がないが、根は善性で人が良い。
他者との交流のために努力して外面を取り繕うよりは、素の自分でいることを大事にするタイプ。
中学高校とバスケ部に所属していて、大学での娯楽系のバスケサークルに所属している。
ヒロインは小悪魔な後輩、傍若無人な悪友、穏やかな元カノ。
一番のお気に入りは主人公とは高校時代からの気の置けない友達同士にして同じ大学の同期、美濃彩華。
外面が良く社交性も高いため性別に関わらず好かれやすく、友達が多くて顔が広い。
また、綺麗系の顔をしておるので男からの人気は高いのだが、素は人の不幸を笑い飛ばしたりと傍若無人で
態度もキツめであるため、仲良くなるにつれて性格に難ありだと思われなんだかんだで彼氏ができない。
後悔したくない時は何事もきちんと自分の目で見てから判断したいと考えていたりと自分の芯を持っている。
評価はC。
主人公とヒロインたちとの関係性こそラノベらしく少なからぬご都合主義が見えますが
彼らがおくっているキャンパスライフは結構リアリティがあり、何気ない日常の描写が活きています。
そもそも、グイグイ距離を詰めてくる小悪魔系後輩が傍にいたら失恋後だろうが大学生活バラ色ですよもう。
しかもこの主人公の場合、高校時代からの気の置けない友人(美人)までいますし、リア充過ぎる…
彼自身は普通の大学生なんですけどね。何かに打ち込んでいたり、叶えたい夢があるわけでもない。
煙草も酒も嗜むし、非童貞。バスケサークルに入っていて飲み会や合コンに参加したりとあくまで等身大ですし。
かといって別に地味ではないし、格好悪さも感じない。むしろ普通にモテそうな感じなのがグッド。
本筋は苦悩と熟慮の末、メインヒロインと結ばれての完結と青春ラブコメとしては王道の締め方だったかと。
選ばれなかったヒロインたちにしても、しっかりとした失恋描写があったので後味もスッキリでしたし。