異世界でタコ焼き屋はじめたけど、わりと簡単につぶれた 七色春日(HJ文庫)
異世界でホームレスをおくっていたタコ焼きボーイの人生逆転劇ファンタジーストーリー。
大枠としては異世界転移からの成り上がりものですね。と言っても当作品は一度成り上がりが成功し
その後理不尽に最底辺に転落してからの再起物語ということで、人間ドラマにスポットが当たっています。
また、料理要素や商売要素もありますが、異世界であるがゆえに特許概念がないからレシピを真似されたり
権力者の我儘ひとつで最底辺に転落させられたりと安易に現代知識無双といかないのも世知辛い。
だからこそ、諦めずに足掻いて再度成功を掴んでいく主人公の姿が眩しいのですが。
ラブコメ面は二人のヒロインに挟まれ主人公自身は両方に気があるという事実上の二股状態に?
主人公は日本から異世界へ転移し、たこ焼き屋を開業して一山当てて成功を得るも
タコ嫌いの王女にたこ焼きを食べさせたことによって全財産を失い、ホームレスへと転落してしまった青年。
野心が強く、何度挫折を味わっても立ち上がることができるポジティブな気質の持ち主。
また、適応力が高く、根は悪人ではないものの、柔軟な思考で清濁併せ持って動くことができる。
ヒロインは過激思考な元奴隷、大食いな女騎士。サブにヤンデレ系なバイト先輩。
一番のお気に入りは主人公のたこ焼き屋の常連である大食いの女騎士、ルビア・シャーリット。
黄金色のポニーテールにエメラルドの瞳が色鮮やかな、騎士として凛々しくも気品がある巨乳美人。
口下手で口調もぶっきらぼうだが、誠実で清廉潔白と爽やかな性格をしており、その上謙虚で懐が深い。
ただ、農村部出身であることに加え、元々は冒険者稼業で身を立てていたせいか豪快で脳筋気味なところも。
色恋に関しては純情で控えめであり、女として褒められ慣れていない。
現時点(一巻)においての評価はC。
基本的にはギャグ強めな作風ですが、そこに人情というスパイスが加わっていることで独特の味が出ている作品。
キャラに関しては、何度挫折しようとも諦めずに立ち上がり成功を掴まんとする主人公が気持ち良い。
チートや特別な才能などなく、その上で異世界に身一つで放り出された中で彼が見せる行動力は尊敬の一言。
また、そんな彼の周囲に集う面々も、一癖も二癖もある愉快な人間ばかりで見ていて楽しいです。
敵側も悪人ではあれども不快感のある悪意は持っていないですし、むしろどちらかというと手段や思想では
主人公側のほうがあくどかったりもするのでコミカルな雰囲気が保たれ続けていますし。
本筋は過去を乗り越え、タコ焼き屋を再度開店することに成功しましたが、続きはどうなるのか。