魔王信長の転生スローライフ 石動将(電撃文庫)
それぞれの野望に一途な少女たちとニート生活に一途な信長の王位継承権争い珍道中。
大枠としては異世界召喚&転生もの。主人公が史実の人物である織田信長なのが特徴ですね。
信長が平穏生活を願っていたり、明智光秀がヤンデレだったりと斬新な独自解釈要素も多いですが。
ただ、それゆえに読者が歴史で学びイメージしている苛烈な魔王らしさがほぼ皆無であるため
織田信長を主人公にした意味がないのでは? と疑問に思ってしまうのが難点。
魔王要素以外の部分を強く押し出しているだけ、と言われれば納得できなくはないのですが。
ラブコメ面は今のところ進展なし。ヒロイン三人にしっかりフラグは立っているようですが…
主人公は本能寺で死んだ後、若き勇者となって異世界に転生召喚された第六天魔王・織田信長。
いつも尊大な態度ばかりとっている自信家だが、それは相手になめられないようにするためであり
性根は即断即決でこそあるものの、お祭り好きで乗せられると断れない庶民派のヘタレ。
また、基本的に自己中で面倒くさがりなのだが、親しい人間に対しては意外と面倒見のよい一面も。
ヒロインは残念賢者王女、守銭奴神官、ヤンデレな元部下。
一番のお気に入りはクーア王女に付き従う王女専任神官、アンテラ・ワイディラフト。
低い背丈に反してアンバランスに膨らみあがっている胸囲が目を惹く十八歳の金髪美人。
お金が大好きな守銭奴で、初見で主人公の本質を見抜いたりと抜け目がないが
両親が無実の反逆罪で処刑された際、恋罪で殺されそうになったところを神殿で交友のあった
クーアに救われたという過去から、彼女に対する親愛と忠誠心は高い。
勇ましい性格の割に料理の腕が凄かったり、可愛いものが好きだったりと何気に女子力高め。
現時点(二巻)においての評価はC。
勇者として召喚されながらも、平穏なニート生活を守るために働かないでござる!
な、主人公が癖のあるヒロインたちと騒動を繰り広げながら日々を過ごしていく話なわけですが
正直主要キャラ大半のノリが良すぎるため、そこを許容できるかで評価が変わる作品かと。
コメディが明るく賑やかなのは結構なことなのですが、流石にブレーキ緩すぎなんだよなぁ。
そのくせシリアスパートが普通に重かったりもするのでバランスが悪く見えますし。
本筋は召喚者であるクーア王女を王位につけるべく、他の王子たちと争いを繰り広げていく。
という流れになるようですが、王子が十二人、王位決定投票は四年後と結構巻数がかかりそう?