転生王子は錬金術師となり興国する 月夜涙(GA文庫)
弱小国家の第三王子に生まれた転生者の少年が自らの手で未来を切り開く、弱小国家運営譚。
大枠としては異世界転生+国家運営ものですね。内政重視の構成のようですが、戦争も当然あります。
転生者であるがゆえの現代日本知識、錬金術、発現した「回答者」の魔法といった頭脳系のチートを使い
画期的な取り組みを繰り返すことで国の立て直しを進めていく、というのが基本路線の模様。
所属国が幾多の脅威で滅亡寸前の小国、しかも立場は第三王子ということで容易な道ではありませんが
それだけに国が徐々に立て直されていく過程にカタルシスを覚えずにはいられません。
ラブコメ面は初恋の人に操を立てているため、現状主人公は女性からの好意を受け入れることはない模様。
ヒロイン二人から告白自体は既にされており、保留状態ですが、さて。
主人公は国を立て直す道を探し、万能の禁術である錬金術を習得した弱小国家の第三王子に生まれた転生者。
武芸政治共にそこそこのオールラウンダーで、分野ごとの超一流にはなれないタイプだが、頭の回転は速く
一度見たものは忘れない。加えて直観力、構造把握能力、立体視なども備わっていたりと身体の性能は高い。
努力家で責任感が強く、有言実行を旨とする性格で、一度決めたことはやり通す意志の強さを持っている。
元日本人のサラリーマンということもあり、アイディア力は高いが先走りが多く詰めが甘い傾向も。
ヒロインはストイックな幼馴染騎士、天真爛漫なドワーフ姫。サブに病弱な妹や初恋の姉など。
一番のお気に入りはドワーフの末裔の集落の姫にしてドワーフの先祖返り、サーヤ・ムラン・クロハガネ。
柔らかそうな金色の髪、白い肌、くりくりした目元、そして、狐耳と尻尾が特徴の巨乳美少女。
笑顔を絶やさず朗らかで誰にでも気さくな性格の頑張り屋。一見するとノリで生きているように見えるが
頭の回転が速く、なかなかに強かなところも。その一方で、民を愛するがゆえに自身を顧みずに
自己犠牲的な行動をすることもしばしばだが、そんな気質だからこそ民に愛されている。
ドワーフらしく好奇心、いわゆるモノづくりに対する欲求が強い。
現時点(二巻)においての評価はC。
知識チートを有していても一人では届かないものがある、だから仲間たちを頼るんだ!
というスタンスの主人公が見ていて気持ち良い。チート持ちはどうしても傲慢さが見え隠れしがちですが
この作品の主人公はきちんと自分の限界が見えているので素直に応援したくなる魅力がシッカリとありますね。
彼に頼られることになる面々も有能かつ良い人ばかりで頼もしいですし。味方に不安要素がないのは大きい。
本筋は主人公を中心とした国の意思統一に成功し、資材や人材集めといった地盤固めも順調に進行中。