悪に堕ちたら美少女まみれで大勝利!! 岡沢六十四(HJ文庫)
正義の組織からドロップアウトした主人公の、悪の組織成り上がり物語。
非能力者である主人公を取り巻く世界観は割とシビアながらも、基本的にはノリ第一のおバカな話です。
何せ主人公の入団する組織の名前が「おしり団」ですし。この時点で色々察することができるかと。
いやもう本当に良くも悪くも頭が悪い作品ですね。お尻に対する情熱だけは感心せざるをえませんが。
全体的にかなりツッコミどころ満載な作品ですが、辻褄とか整合性とかそういうものは気にせず楽しむのが吉。
ラストは俺たちの戦いはこれからだエエンド。
主人公は自身の有能さを証明するために悪の門を叩いた少年。
天才である姉と比べられる日々を送りながらも、努力を欠かさずにいたため、基本能力値はかなり高い。
が、非能力者であるがゆえに報われない人生を送ってきており
そのため、能力者に対するコンプレックスが人一倍強く、自己評価も極端に低い。
と同時に、そこで腐らずに、どうすれば自分が役に立つのかを考えられる向上心も兼ね備えている。
組織内では参謀的立場で、戦闘時の役割は指揮や口八丁と主人公にしては珍しいポジション。
登場人物内では屈指の常識人なのだが、おしり団に入団してしまうあたり、どこか抜けたところも。
ヒロインはお尻好きな団長、軍人然な副団長、ドS女王様(偽)、武人少女、語尾ZE娘。
ただし本妻ポジは既に美夜で確定の模様。また、最終巻で流され体質娘が形だけ加入。
一番のお気に入りは一巻にしていきなり主人公らに敗北した大組織のリーダー、橘美夜(モリガン)
初登場時は一人称がわらわ、黒のゴスロリ着用、鞭っぽい攻撃。と、ドSな女王様風のキャラだったが
それは魔女モリガンとしてのキャラ付けであり、素の彼女は淑やかな黒髪ロングの和風お嬢様で
巨乳(推定Hカップ)で巨尻(九十二センチ)でウエストも細いとスタイルも超抜群。
また、実家で幼い頃から厳格に躾られていたため、家事万能で貞操観念が強いなど嫁レベルがMAX。
評価はB。
頭をカラッポにして読める単純明快さと、意外にシッカリしている信念のぶつかり合いが熱い。
団長の波美が色んな面でブレイカーすぎる印象がありましたが、どんな時も明るくお馬鹿な空気を保つ
存在力があったため、毎巻読後感スッキリなのがよかったです。
本筋は打ち切りエンドということで消化不良のままで終了、とかなり残念な結末ではありましたが
元々お馬鹿な悪の組織を主題にした物語なので、オチそのものは形として悪くない纏め方だったかと。
終盤スルーのラブコメ面も、最終巻前にハーレムエンドで決着がついてるので特に問題はなかったですしね。
本当に、良い意味でタイトル詐欺であり、打ち切りでなければもっと高い評価をつけたかった作品でした。