黄昏の騎士団、蹂躙、蹂躙、蹂躙す   あわむら赤光(GA文庫)



不死身の少年がおくる、正義を娯楽とし圧倒的な力で為す独善懲悪のバトルパレードストーリー。
大枠としては現代異能バトルものですね。神にも等しき奇跡の力を持ち、望むこと全てを実現できるとされる
天帝の継承者争いで、主君にしてメインヒロインであるエミルナを勝たせるべく主人公が戦いを繰り広げる。
というのがストーリーの基本骨子になっているわけですが、生存力にこそ特化してはいるものの
攻撃力や防御力には欠けるし、驕っていたところを攻略されるのがお約束な「不死」を縦横無尽に活用し
襲い来る敵対者たちを狂気ともいえる笑みを浮かべて蹂躙していく主人公の活躍が実に爽快。
ラブコメ面はメインヒロインのエミルナが主人公の最愛であることは揺るがずの模様(でもモテはする)

主人公は闘病を続ける姿が天上界の姫エミルナの目に留まり、不滅の肉体と「他者にも不死性を与える」
という能力を得て、エルミナの右腕として無敵の軍団を結成した元余命少なき末期患者の少年。
死ぬはずだった人生の幸運なる延長戦を、愛するエミルナのために捧げることを誓っている。
元々明日をも知れないと言われていたため自分の欲望に素直で躊躇がなく、小さなことに拘らない性格。
また、その生への執着執念ゆえに、諦めることを知らない楽天家でもある。
敵には容赦がないが、それ以外の人間には思いやりがあり、敵でも気骨ある者の意思は尊重する。

ヒロインは心優しき月王女、お茶目なお姉さん、天邪鬼な水騎士。
一番のお気に入りは主人公に敗北した後、不死者として蘇生させられ配下となった水の騎士、水原渚。
明るい色の髪をポニーテールにした、着痩せするタイプの肢体を持つ美少女。
勝気で意地っ張りな性格をしており、常につっけんどんな口調でツンツンした態度をとっているが
根は照れ屋で心優しく、両親が蒸発してからずっと自分を養ってくれていた姉のことが大好き。

現時点(一巻)においての評価はC。
性根は悪ではないし、無関係の人間には思いやりがあるものの、明確な敵には容赦も躊躇もなく蹂躙を行い
生きる喜びとエルミナへの愛を掲げ勝利へと進撃する主人公がダークヒーローまっしぐらで格好いい。
彼に純愛を捧げられているエルミナも、可愛らしさと凛々しさを併せ持ち、メインヒロインの風格は十分。
主人公の同僚ないしは部下として陣営に所属する面々も皆個性豊かで見ていて楽しいです。
本筋は一巻終了時点で天位後継者争いのライバルのうち一人を撃破。残る敵は六人ですが…