宮本サクラが可愛いだけの小説。 鈴木大輔(MF文庫J)
とにかく可愛い幼なじみと織りなすイチャイチャラブストーリー。
タイトル通り、メインヒロインの宮本サクラの可愛さにニヤニヤ悶えることがメインの作品。
主人公が北欧神話の大神オーディンの生まれ変わりだったり、女神の生まれ変わりな三姉妹と同居していたりと
いかにも異能バトルやら世界の危機やらが発生しそうな設定が存在していますが、気にしないでいいです。
そのあたりは必要最低限にしか描写は割かれておらず、大事になっても大体省略されますし。
三姉妹からのエロいアプローチを流されるままに受け入れる主人公、そんな光景に嫉妬全開な宮本サクラ。
この面子による騒がしい平凡な非日常を楽しむことが最優先で、他の要素はおまけに過ぎないと割り切るのが吉。
ラストは世界滅亡の危機をなんやかんやで免れ、変わった世界で今日も宮本サクラは可愛いのだったエンド。
主人公は北欧神話の大神オーディンの生まれ変わりな少年。
穏やかな性格をしており、いつもふわふわした態度で菩薩のような超然とした雰囲気を身に纏っているが
ちゃんと空気は読んでいるし、見るところは見て、言うことは言う、シッカリした面も持っている。
ただ、その一方で押しに弱く、エロいことをされても「困った」と言いつつ抵抗は全くしない。
両親が家を空けがちなため、家事はそれなりでき、宮本サクラと結婚したら仕事と家事を両立する気満々。
ヒロインはツンデレ幼馴染、姉キャラ長女、お嬢キャラ次女、年下キャラ三女。
一番のお気に入りは長年にわたって主人公に恋している幼馴染、宮本サクラ。
野暮ったい三つ編みに分厚い眼鏡、化粧っ気のない顔とパーツだけ取り出すと絵に描いたようなダサさだが
顔は小さく背筋は伸びており、脚は長くスタイルも良しと本来の外見スペックはかなり高い美少女。
表情がころころ変わるため内心が分かりやすく、おだてられるとすぐに調子に乗ってしまうところがある。
主人公のことが大好きだが素直になれないツンデレで、策士ぶっているが脇が甘く、隙だらけで空回りしがち。
しかしその恋心は超がつくレベルで一途であり、自分のいいところは好きな人にだけ見せたいタイプ。
手先が不器用なせいか、料理掃除洗濯といった家事全般に壊滅的なレベルで才能がない。
小さい頃主人公と結婚の約束をしており、今でもそれを覚えている。
評価はC。
「宮本サクラ可愛い!」と読者に言わせるためだけにほぼ全てのリソースを使っていると言っても過言ではなく
本来なら気になるはずのファンタジーな裏要素が霞みまくっていますが、だがそれがいい。
可愛いは正義であり、だからこそ否定の余地なく可愛い宮本サクラは正義で、そんな彼女がメインヒロインである
この作品は紛れもなく正義なのです。サブヒロインである三姉妹もエロ可愛くて目の保養になりますしね。
マイペースを貫き、空気を読んだ言動で存在感を主張する主人公も翻弄されやすい宮本サクラと相性抜群。
まあ、その分当然の如く中身はスカスカで裏設定とのギャップが凄いことになっていましたが…
本筋は裏で世界の危機があったりと壮大な背景がありながらも、そのあたりはサクッと流して話を進め
あくまで宮本サクラ可愛い! をアピールポイントとして貫き通した潔さに感心の一言。
ぶっちゃけファンタジーな裏設定なくても問題なかったんじゃね? とは言ってはいけない。