デキる神になりますん   森田季節(ファミ通文庫)



廃れた温泉街を舞台にした神サマ更正ほのぼのコメディ。
神様が登場する世界観となっていますが、人間臭いキャラばかりで、設定を忘れそうになるほど。
基本的にはほのぼのまったりな展開でバトルとか一大事件とかそういうのはなし。
尖った要素もなく、田舎情緒溢れる雰囲気になっています。
恋愛要素は今のところほぼ皆無。ヒロイン側はわかりやすい態度ではあるのですが…
主人公が鈍すぎて意思疎通ができていないというお約束なラブコメ展開です。

主人公は物語開始早々「温泉なしではいられない」呪いを受ける羽目になった少年。
性格的にはマイペースかつ喜怒哀楽をあまり表に出さないタイプ。
転校を繰り返してきた過去から、人間関係に深く踏み込むことをよしとしない。
とはいえ、いざという時は主人公らしく他人のために一生懸命になるところも。
割と正直者というか、思ったことをそのまま口に出してしまうため、女タラシに見えることも。
しかし実際は度し難いレベルの鈍感脳なため、女の子側ばかりが空回りしてしまう。
正直今のところ、何故彼はモテるんだろう?ってタイプの主人公ですね。

ヒロインは引き篭もり神様、ツンデレ神様、ツンデレ従妹、ツンデレお嬢様、ねずみ神様。
やたらツンデレが多い。しかし鈍感タイプの主人公にツンデレは相性が悪すぎるという罠。
一番のお気に入りは温泉街最大のホテルの娘、東野明日羽。
七年前に、主人公に裸を見られ、その際「責任を取れ」という形で結婚の約束を申し出ている。
ただし主人公はそのことをすっかり忘れており、返事は棚上げになったまま。
これを小学生の戯言だと一蹴するか、なんて純粋なんだと感心するかは意見が分かれると思う。
ちなみに私は後者を推します。切欠はともかく、想い続ける乙女力は素晴らしい。
また、お嬢様らしく、尊大気味な態度を常としているも、根はとても良い娘。
何故か甲子園を目指しているらしい。でもやってることはキャッチボールばかりだったり。

現時点(二巻)においての評価はC。
こういうほのぼのとした話は好みなんですが、どうも主人公が肌に合わないのでこの評価で。
積極的過ぎて空回り、というのも問題ですが、少々マイペースすぎなんだよなぁこの主人公。
喜怒哀楽の楽しかないんじゃないの?みたいな。
あと、この手の作品の主人公が鈍感なのはもはやお約束ですが、ちょっと行き過ぎ。
ストーリー的には、既に一巻でやるべきことはやった感じなので、新キャラ投入で話は続いていく模様。