俺のお嬢様と天使と悪魔が生徒会で修羅場ってる!   壱日千次(MF文庫J)



天使と悪魔とお嬢様の恋の修羅場が世界の命運を握る、恋の三すくみ生徒会ラブコメストーリー。
大枠としては四角関係な修羅場(かかっているのは世界の命運)をメインにした学園ラブコメものですね。
まあ、修羅場と言っても内実はふんわりしているのでギスギス感やシリアス感はかなり薄いですが。
ぐらつく三すくみのバランスを維持し続けようと奮闘する主人公、というのが話の中心になってはいても
ヒロインは善人でポンコツ癒し系な娘揃いなのでフラストレーションがたまるようなことはないですし。
とはいえ、主人公の立場になってみたいかと言われれば間違いなく否としか言いようがないのですけども。
ラブコメ面は現本命・初恋の女の子、告白済みの娘を相手に四角関係が構築されていますが、さて。

主人公は世界レベルの三すくみのキーマンになってしまった、生徒会で副会長を務める執事少年。
素直であるがゆえにストレートな物言いが多いが、真面目でいつもひたむきな性格をしており
また、文武両道な上、顔立ちもよく、苦労人ゆえにしっかり者である彼に好意を抱く女生徒は多いが
自分を色々な意味で救ってくれた主・月ヶ瀬桜華への愛と忠誠心に揺るぎはない。
やられっぱなしでは終わらない、がモットー。性癖は脚フェチ。
人権無視の執事用スパルタ教育を受けたことから、銃弾キャッチやピッキングなど様々な特技を持っている。

ヒロインは料理上手なお嬢様会計、純情悪魔な生徒会長、信心深い天使庶務。
一番のお気に入りは月ヶ瀬財閥を没落させるために動く悪魔にして生徒会長、ネフィリア・クロウリー。
生徒会長としては有能なのだが、大悪魔を自称していたため正体を明かすまでは中二病と認識されていた。
紅玉のように輝く瞳、紫がかった銀髪、そして起伏に満ちたボディラインを有する美少女で
本来の姿に戻ると頭から二本の角、背中からは漆黒の翼、尻からは先端がハート形の尻尾が現れる。
言動は尊大で偽悪的だが、誠実かつ律儀で根が善人であるため、いつも悪になり切れない。
魔王から「一万年に一人のドスケベボディになるであろう」と予言され、実際にその通りエロく成長した
肉体の持ち主だが、当の本人は純情極まりなく、エロ知識にも疎くて可愛いものが大好き。
五年前に主人公からもらった手作りのウサギのぬいぐるみ「ウサぴょん」が一番の宝物。

現時点(一巻)においての評価はC。
これ、ぶっちゃけた話全ての問題の根源はメインヒロインである月ヶ瀬桜華の態度なんですよね。
物語開始段階で相思相愛な上、主人公は勢い任せとはいえスパッと男らしく告白をしているというのに…
彼女が素直にならず、その後もやらかしてばかりなゆえに三すくみな状況が解決しないわけだからなぁ。
それで強力なライバル二名の追い上げを許しているんだから自業自得としか言えないわけで。
そういう面倒くさいポンコツさが可愛くはあるのですが、面倒くささがない分悪魔と天使のほうが
主人公を巡る争いで優勢になるのは当然ですし、心情的にも応援したくなるのは当然という。
本筋はひとまずの危機を脱するも、依然として三すくみ維持は薄氷を履むがごとしの模様。