やりすぎた魔神殲滅者の七大罪遊戯   上栖綴人(講談社ラノベ文庫)



熾天使が降臨し、異能で溢れた世界初の「異世街」裏吉祥寺を舞台にした最強×禁忌の異世街黙示録。
大枠としては現代異能バトルものですね。エロスとバイオレンスが前面に押し出されているため
これ全年齢で出して大丈夫なの? とツッコミたくなるレベルのお色気シーン(挿絵含む)は満載ですし
敵の外道っぷりやバトルでの容赦のなさ、そして勝利時の爽快感が映える作品に仕上がっています。
ラブコメ面は主人公が多数の女性に手を出してはいるものの、委員長と団長のツートップは揺るがず?

主人公は異世界に召喚され、背徳の禁忌を犯す事で魔神を殲滅し「七つの大罪」全ての力を得て帰還。
後に異能グループ「餓狼旅団」の最高幹部筆頭になり気ままな日々を送っている少年。
軽薄かつ自由奔放な性格で「裏吉祥寺の歩く下半身」と周囲から呼ばれるほど女扱いに長けているが
実際は自分の異能力をコントロールできずに苦しんでいる女の子を性行為で助けているだけであり
それゆえに、彼と淫らな関係になりながら、それでも感謝の念を持つ娘たちは沢山いる。
見た目は軟派な優男だが、目の前で悪事を働く者や自分たちに喧嘩を売ってくる者には容赦がない。

ヒロインは色欲委員長、暴食ヴァンパイア姉、強欲美貌の団長、クールな運び屋。
一番のお気に入りは街で一、二を争う凄腕フリーの運び屋、レム・バーンシュタイン。
幼い顔立ちに、ボストンタイプの眼鏡レンズの向こうにある透き通るような大きな瞳。
そして、左右にボリュームのあるショートボブの頭に鎮座しているスカルの髪飾りが特徴的な美少女。
常に感情を排したかのような表情で、淡々と抑揚のない喋り方をするため、感情の起伏が見えにくい。

現時点(三巻)においての評価はC。
エロスもバイオレンスもブレーキをかける気まったくなし! と言わんばかりのアクセル踏みまくりな
退廃的でアウトローな雰囲気全開の作風がイカス。物語開始時点で主人公と所属グループが異世街でも
トップクラスの地位にいるため、基本的に事件において遠慮なしで動けるのもストレスフリーでグッド。
キャラに関しては、最強無敵にして自由奔放、そして事が起きれば格好良さを見せてくれる主人公。
そしてそんな彼を取り巻く個性豊かで頼れる仲間たち、と味方サイドの安定感は抜群。
本筋は異世街で起こる事件を主人公たちが解決しつつ、異能発生全ての元凶である七体の織天使と
彼らが出現させた超高層の建物の謎に迫っていく、という流れで進んでいく様子。