絵師殺しの戌亥さんとエロい絵に定評のある俺 猫又ぬこ(講談社ラノベ文庫)
エッチな絵が大好きな美少女作家が次々と押し寄せてくるクリエイト系ラブコメストーリー。
大枠としてはクリエイターものですね。主人公は漫画家ですが、作中でのメイン仕事はラノベの挿絵です。
ただ、お仕事ものというよりは、美少女たちとの同棲生活に焦点が置かれている感じですね。
作品の参考にするためというお題目があるとはいえ、これでもかとばかりにお色気イベントが発生しますし。
とはいえ、挿絵のエロ可愛さも相まって、ヒロインたちの魅力は個性的に描かれていると思います。
ラブコメ面は今のところ進展なし。まあ、メインヒロインの戌亥詩織とは同棲状態ですし
他のヒロインもエロ行為バッチコイなので客観的には超のつくリア充環境ではあるのですが。
主人公は担当編集の口車に乗せられ、鬼瓦勘兵衛の作品のイラストを担当することになった新人漫画家。
漫画家としては絵のエロさに定評があるものの、世間と感性がズレているためストーリーが壊滅的。
良く言えば素直、悪く言えば単純な、これと決めたことに一生懸命になれる熱血型の性格をしているが
視野が狭く短絡的な面が目立ち、安易な決断を後悔する羽目になることもしばしば。
漫画に青春を捧げると決めているため女子との恋愛に興味はあまりないが、エロいことには普通に興味津々。
好きなものは血沸き肉躍り格好いい男が活躍する熱血漫画、苦手なものはホラー映画。
ヒロインは疑似ロリラノベ作家、変態マゾなラノベ作家級友、ロリコン幼女ラノベ作家、清楚系腹黒編集者。
一番のお気に入りは「鬼瓦勘兵衛」のPNで活動している超速筆&売れっ子のラノベ作家、戌亥詩織。
百五十センチあるかどうかの背丈に、起伏の乏しいスタイル、肩のあたりでぴょんぴょん跳ねた髪。
あどけなさが残る整っている顔立ち、猫みたいにくりっとした目、そして大人びた口調が特徴の美少女。
プロ意識が強く、より良い作品を生み出すためであれば何でもする覚悟を持っている。
エッチなものが大好きでそれを公言しているが、羞恥心もシッカリ持ち合わせており、不意打ちに弱い。
ラノベ作家としては自然な流れでラッキースケベを書くことに定評があるのだが
そのあまりの超速筆っぷりゆえにイラストレーターが途中交代することが多く「絵師殺し」の愛称を持つ。
主人公の絵に惚れこんでおり、その入れ込み具合は同棲して一緒に作品作りをしようとするほど。
現時点(二巻)においての評価はC。
話の展開が勢い任せすぎてツッコミどころが多いですが、気にしたら負けなタイプの作品。
キャラに関してはヒロイン二人がかなりの変態ではあるものの、時折見せる女の子らしさが可愛いですね。
一方、そんな彼女たちに好かれる主人公は人格はともかく、他の部分でマイナス点が大きい印象。
感性がズレてるというよりは成長が見られない悪い意味でのバカにしか見えないんですよねぇ。
性質的に向いている挿絵ではなく、あくまで漫画家志望という初志貫徹思考は嫌いではないのですが…
本筋はやっていることの大半はただのエロイベントの詰め合わせではあるものの、それぞれの夢に向かって
頑張る少年少女たちの姿が描かれていく模様。ただ、正直主人公が漫画家になるのは無理な気が。