人生 川岸殴魚(ガガガ文庫)
一人の少年と三人の少女(四巻と八巻で一人ずつ増員し最終的には五人)によるお悩み相談&解決コメディ。
タイトルはやたら重々しいですが、内容はいたって軽快なトーク系部活動ものです。
次々と寄せられる相談への回答を発端に飛び交うボケとツッコミが実に楽しい。
回答者がそれぞれネタ被りしない明確な個性を持っているのもアクセントがきいてますしね。
主人公もツッコミ役&調整役として役立っていますし、実にバランスが取れていると思います。
ラストは第二新聞部が正式な新聞部へと昇格し、相談コーナーは終わりを告げましたエンド。
ラブコメ的にはメインヒロインの遠藤梨乃と結ばれそうになったところで邪魔が入り、終了。
主人公はお悩み相談コーナーを受け持つことになってしまった第二新聞部所属の眼鏡少年。
目立たない、地味、押しに弱い、向上心&好奇心が薄い。
と、主人公というポジションにいる割には平凡すぎる普通キャラをしている。
ただ、バリバリの草食系に見せかけて、女の子にはこっそり興味がある様子。
それが長じてか、状況によっては自分の欲望に正直な言動をとることもしばしば。
ヒロインは理系眼鏡少女、文系天然少女、体育会系元気少女、芸術系情熱少女、留学生な後輩。
一番のお気に入りは黒髪ロングな理系少女、遠藤梨乃。
言動が理屈っぽい、基本的に感情を挟まない、運動神経が壊滅的、とテンプレな理系人間。
恋愛ごとや女の子らしいことが苦手。あと、催眠術にかかりやすいなど、結構弱点が多い。
負けず嫌いで意地っ張り、そして恥ずかしがり屋な性格。ちなみに、浮気は絶対許さないタイプ。
対人関係では常にツンツンしているが、実は人見知り+人付き合いが下手なだけだったりする。
一応眼鏡っ娘なのだが、状況に応じてコンタクトと併用しているので似非と言わざるをえない。
評価はB。
お悩み相談という単純なネタが、上手くキャラの個性を活かして面白さを産んでいた作品ですね。
唯一無個性に見えた主人公も、進行と共に徐々に煩悩が前面に出てきて味のあるキャラに育っていきましたし。
ただ、主人公以外は美少女だけの部活という環境設定で、恋愛相手が事実上一人だけだったのは
ハーレムスキー的には不満が残る点でしたが。生徒会長は完全にかませ&お騒がせ扱いだったしなぁ。
まあ、その分梨乃との甘酸っぱい青春恋愛イベントには大変ニヤニヤできたわけですけども。
本筋は最終巻だけで話を終わらせました感が凄かったものの、元々ストーリーはあってないようなものでしたし
主要メンバー全員の相談に応える、というラストエピソードそのものは綺麗な形だったかと。