きれいな黒髪の高階さん(無職)と付き合うことになった 森田季節(GA文庫)
無職美人とぼっち大学生のスローライフだらだらラブコメディ。
うだつの上がらない大学生が変わり者なニート女子と友達以上恋人未満な関係でだらだらするだけの話で
重い背景や非現実的な要素は一切なく、ただ等身大の大学生とニートの交流する姿が描かれています。
とはいえ、同級生や教え子なども登場するので、二人だけで世界が閉じているわけではないのですが。
なお、舞台が京都ということで、所々でリアルな雰囲気(私は京都に行ったことはないですが)が楽しめます。
ラストはタイトル通りメインヒロインの高階さんと付き合うことになって終了。
主人公はサークルにも行かず暇をもてあましているぼっちな京都の大学生。
やや自意識過剰でコミュ障気味とぼっち気質で、実際大学での交友関係はかなり壊滅的。
当然色恋に縁もなく、彼女いない歴=人生。でも彼女ができるなら大歓迎の模様。
女子高校生相手の家庭教師のアルバイトをしている。
ヒロインは高性能ニート、元気溌剌な同級生、小悪魔な教え子。
一番のお気に入りはハイキングサークル「あるきんぐ」のメンバーである同級生、狸林祭利。
ポニーテールに大きな胸、そして名字(当人は気にしており、あまり呼ばれたくない)が特徴的な美人。
気が短く自己主張が強い性格にしてかなりのお節介焼きであり、顔に感情が出やすい性質。
また、同調圧力や目上の人間に怯まず言いたいことをキッパリ言える勝気さの持ち主でもある。
無意識に先を急いで道しるべをすぐに見落としてしまうため、山ではよく迷ってしまう。
評価はC。
山なし谷なしオチなしなグダグダさが延々と続く日常生活が描かれているだけなのでサクサク読めました。
メインヒロインの高階さんが語るニート論や主人公のぼっち大学生っぷりなど、共感できる部分もありますが
基本的には屁理屈混じりの小気味よい会話劇が主軸であるため、ストーリー性はほぼ皆無。
キャラに関しては、コミュ力が低い人間あるあるを体現している主人公の溢れ出るぼっち臭が切ない。
読者視点では美少女複数と交流ありというリア充要素持ちのはずなのに、まったく羨ましく見えないもんなぁ。
それだけに、高階さんの誇りあるニートという不可思議な存在感が際立っていたわけですが。
本筋は二巻完結とサックリでしたが、元々中身なんてあってないようなものだったので妥当という感想しかないです。
続けようと思えば延々と続けられそうな雰囲気ではあったのですが、実際に続いた作品はほぼ皆無ですしね…