王女様の高級尋問官   兎月竜之介(ダッシュエックス文庫)



元騎士による、美少女刺客たちを尋問しまくり悩みまで解決する新感覚尋問エロティックファンタジー。
題材が尋問ということで、第一印象に暗さや陰鬱さといった重い読み味を想像してしまいそうになりますが…
実際のところ、内容は「刺客が現れる→捕える→エロい尋問をする」とほぼパターン化しており
タイトルから受けるイメージよりも遥かに雰囲気は軽く明るいためサクサク読めます。
愛の言葉囁き責めや自作の官能小説朗読責めなど、尋問方法もコメディ路線なものが多いですし。
ラブコメ面はメインヒロインのエルフィリアを筆頭に女性陣からの好感度はかなり高い模様。
王族との結婚にもそれほど障害はないようですし、ハーレムエンドに期待。

主人公は怪我で王立騎士団を退団し、その後第二王女エルフィリアの護衛官に任命された元騎士。
しかし護衛官は表向きの職務で、実態は刺客を捕らえ尋問する王女様専属の高級尋問官。
詰め襟がはち切れんばかりの立派な体格と、いかめしくも端正な顔立ちを併せ持つ美男子で
正義感が強く真面目で堅物、騎士道を重んじ、全ての女性を敬う、騎士の鑑のような人格者だが
男所帯の王立騎士団で青春を過ごしたせいか女性の色気にすぐ動揺してしまうところも。
ただ、集中して仕事モードになると目的を果たすために一直線になることができる。
弱点と嘘を見抜く力を持つことから、ならず者たちから「死神の目を持つ者」と呼ばれ恐れられている。

ヒロインはドMな第二王女、強がりな第一王女、生真面目メイド、明朗快活な後輩。
純朴な天才魔法使い、人懐っこい猫系獣人、歌上手な第三王女、超ブラコンな実妹。
今後も刺客を篭絡していくなら増加に期待できそう?
一番のお気に入りは第一王女ガブリエラの護衛官を務める騎士団時代の後輩、ダイアナ・ローラン。
淡いピンク色の長髪と丸い目が柔らかい空気を感じさせる、長身でスラリとした包容力がありそうな美人。
真面目で活発かつ爽やか、無邪気で純粋な性格をしており、師事していた主人公のことを慕っている。
一見すると体を動かすことか、美味しいものを食べることくらいにしか興味を示さない脳筋娘であり
色恋関係には飛びぬけて初心だが、同時にそれらに対する興味と憧れは人一倍。

現時点(二巻)においての評価はC。
ぶっちゃけ尋問というよりは刺客側がエロいプレイを嬉々として受けているだけに見える気がしますが
執行人である主人公がいたって真面目な態度であるため、余計にコミカルな空気が強い印象。
正直、登場する美少女たちは刺客の癖にこんなので自白するとか意思弱すぎだろ!
というツッコミをいれたくなりますが、そこを気にしたら話が成立しなくなりますしね…
本筋は一巻で第一王女の陰謀を退け、二巻で第三王女を篭絡。これで敵対の可能性がある王女は残り三人。