高一の春、僕は世界を滅ぼす彼女をシリーズ 赤福大和(講談社ラノベ文庫)
青春は、癒しがなければやっていけない。桜と青春に彩られた怪奇ファンタジーストーリー。
大枠としては現代日本を舞台にしたラブコメ&怪奇メイン、バトル少々な和風ファンタジーですね。
メインヒロインの長月真冬が世界を滅ぼしかねない存在という重くなりそうな要素がありますが
内容は軽いノリ重視でお色気ハプニングも多かったりとサクサク読むことができます。
ラブコメ面はメインヒロインの長月真冬の傍にずっといるという誓いを主人公が立ててはいるものの
恋愛という意味ではまだ進展がないため他ヒロインの出方が気になるところ。
主人公は世界の崩壊を防ぐために長月真冬の寂しさを癒す仕事を命じられてしまった少年。
小さい頃から人と関わりを持とうとしなかったがためにキャラが薄く、それをからかわれることが多い。
自身が過去に辛い思いをしたことがあるがゆえに他の誰かに同じ経験をさせたくないと考えており
そのためならば苦労どころか命を懸けることすら厭わないお節介焼きなところがある。
自分の言葉には責任を持つことが流儀。
漫画にしか興味がないくらいの漫画好きで、サブカル全般にそこそこ詳しい。
ヒロインは天然な清純派女優、積極的なボクっ娘、健気な実妹、甘えん坊な悪魔。
一番のお気に入りはお母さん役を演じる目に入れても痛くない主人公最愛の実妹、春宮楓。
優しげに雰囲気を醸し出す大きな垂れ目、耳元で切り揃えた艶々の髪。
そして、まだ幼いながらも将来は美人になる予感を抱かせてくれる整った顔立ちを有する美少女。
ダダをこねたり怒ったりが全くない、九歳にしてはあまりに落ち着き過ぎている、おっとりした性格で
三年前のある事件を切欠に、主人公に対しては母親役を演じるようになっている。
時々年齢相応の顔を見せることこそあれど、家事全般を完璧にこなし、一緒にお風呂に入れば
兄の全身をくまなく丁寧に綺麗にするなど超がつくレベルで気遣いができて面倒見がよく献身的。
現時点(二巻)においての評価はC。
ヒロインたちの可愛らしさは申し分ないですし、ラブコメものとしては十分及第点以上なのですが
背景が無駄に重大であるゆえに「真剣さが足りないのでは?」という雑念が度々入ってしまうのが難点。
シリアスパートもやたらと勿体をつけたり不気味さを強調したりと作風にマッチしていない印象。
主人公が特に意味も非もなくキャラが薄いと周囲にからかわれるのも不快なだけですし…
本筋は一巻終了時点で早くも世界を巻き込むレベルの事件を解決するも、今後も似たような事件が
起きると示唆されているため、毎巻気の休まらない展開が続く模様。
後は断片的に語られているヒロイン絡みの主人公の過去話が何時開示されるのもかも気になるところ。