若返りの大賢者、大学生になる 猿渡かざみ(角川スニーカー文庫)
若返りの大魔術を敢行し、魔術大学への入学を果たした英雄的大賢者の破天荒キャンパスライフストーリー。
過去の強者が現代で色んな意味で無双する、いわゆる「強くてニューゲーム」ものに分類される話ですね。
魔術がただの学問となり、娯楽や趣味として嗜まれている世界に大賢者が現れたらそりゃ誰も止められません。
しかも主人公自身は思い込みによって謙虚であり、他者を侮らないという勘違い要素まで加わっていますし。
あと、舞台がよくある学園ではなく大学ということで自由度が高いのも良いアクセントになっているかと。
ラブコメ面はモテこそはするものの、当の主人公に色恋欲求がほぼ皆無なのが…
主人公は現代魔術を学ぶため、ラクスティア魔術大学に入学した二百年前に人魔大戦を終結させた大賢者。
若返りの大魔術を敢行したため見た目は若いが、中身は三百歳を超える老人。
謙虚で礼節を重んじるが、曲がったことが許せない性格ゆえに何かと首を突っ込みがち。
間違いなく世界有数の魔術師であるのだが自己評価は極めて低く、それゆえに高い向上心と知識欲
そして文字通りの意識の高さを持っているがために他の学生や教授に対して最大限の敬意を払っている。
普段は老人特有の落ち着きを見せるが、同時に少年のように純粋な感性も持ち合わせており、己の感情に素直。
知識は豊富だが浮世離れした部分があり、現代知識に疎く、健全な生活を送る能力が欠如している。
ヒロインは面倒見の良い同期、高慢なボクっ子賢者、尊大な黒竜娘。
二巻にて魔女な先輩が参入。サブに快活な先輩や主人公ファンな学長なども。
一番のお気に入りは三大賢者の一人、マリウスの傍系である結界魔術科の新入生、ソユリ・クレイアット。
まだ幼さの残る顔立ち、後ろで編み込まれてコンパクトに纏まっている肩口まで伸びた栗色の髪。
淡い色の瞳、そして発育の良い女性的な体型を有する小動物じみた美少女。
引っ込み思案な性格でおどおどした態度をとることが多いが、面倒見がよく子供の扱い方が上手い。
酔っぱらうと性格が反転し、容赦ない言動をとる鬼と化す。怒らせると怖いタイプでもある。
現時点(二巻)においての評価はC。
思い込みが多分にあるとはいえ、自分よりも遥かに劣っている周囲の人間を見ても腐らず驕らず見下さず
逆に尊敬の念を忘れずに抱き一学生としてキャンパスライフを真摯に楽しもうとする主人公の姿勢が好感度大。
まあ、保有する知識と実力が桁外れであるがゆえに毎度騒動が巻き起こるのはご愛嬌ですが。
そんな彼に振り回されながらもなんだかんだで楽しそうなヒロインたちの姿も可愛くてグッド。
本筋は順調に交友関係が広がり、普通(?)の大学生活を満喫しているようですが…?