剣聖の私がお前を好きだと?笑わせるな!大大大好きなのだ!
秋月月日(富士見ファンタジア文庫)
恋する美少女剣士は誰にも止められない。大好き度MAXから始まる、ドタバタラブコメファンタジー。
簡単に説明すると、恋愛初心者な最強の美少女剣士が恋を実らせる為に奮闘する話ですね。
この手の話のお約束通り、内容は喜劇色が強く、やる気だけは十分ながらも空回りするヒロインと
羨ましくも同情もしたくなる目にあいまくる主人公のドタバタ劇をサクサク楽しめます。
勿論ファンタジーらしく冒険するシーンもありますが、シリアス要素は少ないのでお気楽に読めるかと。
ラブコメ面が主人公が極度の鈍感ということもあり、今のところ進展はなし。
ただ、彼自身の心情と作品主題を考えるとメインヒロインのシルフィの優位は堅そう。
主人公は「剣聖」と名高いシルフィのパーティ仲間で相棒のシーフ。
普段は適当で面倒くさそうな態度ばかりとっているが、仲間のことを最優先に考え
時と場合によっては自分が泥を被ることすら厭わない、善良にして他人主義な裏方屋気質。
シーフとしての腕前は一級品で、気遣いもできるのだが女心には疎く、デリカシーがないのが欠点。
ヒロインはハーフエルフ天才魔術剣士、ケットシー黒魔術師、本屋の看板娘な幼馴染。
一番のお気に入りはシリフィとは恋のライバルなケットシーの黒魔術師、ユーリ・カルディナ。
だぼっとしたローブに包まれた茶髪エアリーボブの、発育不良な貧乳猫耳美少女。
喜怒哀楽が豊かで単純、怒ってもすぐに丸め込まれる、一言で言えばチョロい性格をしており
パーティーの中ではマスコット兼弄られ役のポジションが常態化している。
常人の三十倍という体内保有魔力量を誇るのだが、魔力の扱いが大の苦手であることから
唱える攻撃魔術の全てが最大威力になってしまう欠点持ちで、暴発系魔術娘の二つ名を持つ。
スライムやミミックなど、目のない生き物が大の苦手。
自身の体型を気にしており、こっそりと身長や胸関連の本を集めている。
現時点(一巻)においての評価はC。
「〜のだ」口調持ちの剣聖で極度の照れ屋でチョロインという盛り過ぎ設定なメインヒロインに加え
ザ・お約束ともいえるお色気混じりのイベントの数々がやたらとテンション高く描かれており
正直目新しさはないですが、その分テンポの良い、安定した読み味を得ることができます。
ただ、主人公とヒロインの双方が鈍感過ぎるため、それをお約束として受け入れられるかどうかが
評価のポイントでしょうか。そうじゃないと話が成立しないというのはわかるんですけどね。
本筋は魔王やテロ組織、あるいは主要キャラに重い背景が存在しているということもないようですし
変に構える必要なくハイテンションなドタバタラブコメを素直に楽しめるかと。