ちょっぴり年上でも彼女にしてくれますか?   望公太(GA文庫)



可愛すぎる奇跡のアラサーとまっすぐな男子高校生による年の差・純愛・甘々ラブコメストーリー。
ライトノベルにおける年の差恋愛ものというジャンルは、どれも男側が年上のパターンばかりだっただけに
この作品のようにヒロイン側が年上というのは目新しいですし、新規開拓感があっていいですね。
それに、男女が逆だと犯罪っぽさもほとんどないから周囲バレによる問題をあまり警戒せずに済みますし。
お約束である世代間のギャップがコミカルに、そして時にシリアスに描かれているのも良い感じ。
しかし二十七歳OLをちょっぴり年上というのは無理がありすぎるのでは…
ラブコメ面は一巻時点で恋人関係がしっかり成立していることもあり、織原姫のオンリーヒロイン路線で確定。

主人公はある日電車で痴漢に遭っていた織原姫を助けたことを切欠に、恋に落ちてしまった少年。
真面目で律儀な性格。年齢相応に色恋に興味があり、学校では陰キャ寄りのポジションにいる
普通の男子高校生だが、一度何かを決意した時の行動力には目を見張るものがある。
背が大きく筋肉質な身体をしているが、見た目に反し昔から運動全般が苦手。
実家は祖父の代から整骨院を経営しており、たまにバイトをしている。

ヒロインは初心なアラサーOL。
一番のお気に入りは週末JK、平日OLな二十七歳のお姉さん、織原姫。
清楚な雰囲気が漂う長く艶やかな黒髪に真っ白な肌、そしてどこか幼さの残る整った顔立ちの巨乳美人。
仕事時は大人っぽく見えるように髪を後ろで纏めていて、細いフレームの伊達眼鏡をかけている。
学生時代、地味でオタクで三つ編みでぽっちゃりだったためモテた経験がなく、男性経験も皆無だったことから
それをコンプレックスに思うと同時に自己評価が低く、年齢の割にちょっと天然で思考が幼いところがある。
一人暮らしなので料理はできるが、休日は一日引きこもってゲームをしていたりと女子力はかなり低い。
好きな食べ物は丼もの全般、苦手なものはフリック入力。

現時点(六巻)においての評価はC。
恋愛初心者で純情でゲーム好きで巨乳でJKのフリをしても(外見上は)問題のない若々しさ。
こんな理想を詰め込んだアラサーがいてたまるか! と突っ込むこと間違いなしなヒロインの織原姫。
彼女を可愛いと思うことができるなら、本作品は読んで損はないと断言できると思います。
年齢相応の青臭い熱さを前面に押し出した精神的イケメンっぷりを発揮する主人公も好感が持てますし
彼らを取り巻くサブキャラたちもちゃんと親身になってくれる良い奴らばかりで安定感は抜群。
是非この二人には年齢の差という障害を越えて幸せになってほしいところですね。
本筋はヒロインの姉が義母になるというややこしい問題も一段落し、文化祭も無事に終了。