陰キャになりたい陽乃森さん   岬鷺宮(電撃文庫)



わかり合えない少年少女たちの、異文化激突青春ラブコメストーリー。
大枠としてはスクールカーストものですね。陰キャと陽キャがテーマになっている模様。
とはいえ、暗さや不快さを醸し出すリアル感は薄めであり、青春物語の色が濃いので読みやすいです。
内容としては、陽キャなメインヒロインが陰キャになるべく主人公たちに陰キャ指南をしてもらうも
素質や価値観の違いから中々上手くいかず、というコメディ成分が重視されている感じですね。
リア充(陽キャ)がカースト下位(陰キャ)を指導する作品は結構ありますが、その逆というのは珍しい…
ラブコメ面はメインヒロインの陽乃森理瀬にフラグが立っているようですが、他ヒロインの出方やいかに。

主人公は陰キャと陽キャは住み分けるべき派の陰キャ少年。
物事を分類して分析、理解するのが好きで、アニメ、漫画、ラノベのレビューを趣味としている。
見た目に気を遣えず、運動はできず、コミュ力もなく、全体的にいけてないと典型的な陰キャラだが
お人好しで面倒見がよいため、困っている人を見捨てられずに動いてしまうこともしばしば。
座右の銘は「好きになるにも嫌いになるにも、相応の理由を」

ヒロインは超陽キャ娘、自称陽キャな後輩、オカルト系陰キャ幼馴染、元引きこもりな後輩。
一番のお気に入りは正直あまりピンときてないけれど、おそらく陰キャな同部員、伊集院透子。
長く重たい黒髪、青白い肌、無表情で淡白な顔、百八十センチ近い長身と、見た目はオカルト系不気味女だが
身だしなみを整えれば落ち着いた感じの美少女であり、実は爆乳(バストサイズは91)でスタイル抜群。
考え込みがちなところがあって、引っ込み思案で人見知りが極端に激しいが、繊細で優しく
趣味が刺繍や料理であったりと家庭的なタイプで、何気にお嫁さん適正はかなり高い。
察しがよく、人の気持ちが事細かにわかってしまうのだが、それゆえに他人と接することに臆病。

現時点(二巻)においての評価はC。
タイトルに入っているだけあって、陰キャの特徴がわかりやすく、そしてコミカルに表現されていますし
立ち位置が反対な陽キャヒロインも嫌味なく描かれているので読んでいてストレスを覚えることは少ないかと。
ただ、主要キャラがたまにストーリーの都合で極端に動かされている感があるのはマイナス点でしょうか。
そのせいで、シリアスパートとコメディパートに悪い意味でのギャップができている印象も。
本筋はこれ、一巻終了時点でもう陽乃森さんには陰キャになる理由が消えたのでどうするのかと思いきや
二巻では陰キャが陽キャになろうとするという逆パターン展開に。でももうタイトル詐欺だよなこれ…