隠れオタな俺氏はなぜヤンキー知識で異世界無双できるのか？　　　一条景明（電撃文庫）



エセヤンキーがハッタリを武器に召喚されたファンタジー世界で成り上がる物語。
大枠としては異世界召喚ものですが、舞台はヤンキー文化が花開いているトンデモ異世界。
気合で魔法が発動したり「喧嘩上等」が呪文だったりとツッコミどころが多すぎるのですがｗ
ヤンキーものだからなのか何故かエロ系のイベントも頻出しますし、とにかく騒がしさが凄い。
当然シリアス展開は皆無というか、なりそうになってもそんな空気はヤンキー要素であっという間に
ぶっとんでしまうわけですが、それが作風に独特の味を作り出している印象ですね。
ラブコメ面は今のところ進展なし。状況的には後輩のヤンキー娘こと藍が優勢っぽいですが…

主人公はオタライフを堪能していたら異世界に召喚されてしまった隠れオタの少年。
オタを隠すためにヤンキーぶっているが、素はヘタレで小物思考の、お色気に弱いムッツリスケベ。
しかし、自己暗示をかけてヤンキーモードに入った時の気合とハッタリは一級品。

ヒロインはわんこ系後輩、清純派エルフ神官、ダークエルフ村長、ドＭ豚王女。
一番のお気に入りはヤンキーに擬態した主人公に憧れを向けている後輩、神無月藍。
ふわふわした髪をポニーテールに纏めた、巨乳（推定Ｄカップ）でスタイルのよい美少女。
常に舎弟口調で喋り、少し馬鹿っぽいところこそあるものの、明るく素直なわんこ系の性格をしている。
ただ、ヤンキーらしく怒らせると怖い上に沸点が低く、敵には容赦がない。
好きな人へのアプローチは積極的だが、エロいことには初心。でも興味自体はかなりある模様。
何故か主人公に恋心を抱いており、彼が何をやっても「マジぱねー」と解釈する謎フィルター持ち。
ちなみに、本人は隠しているつもりだが、ファンシーなグッズが好きだったりする。

現時点（一巻）においての評価はＣ。
登場人物が皆癖のあるキャラばかりすぎて、読んでいて飽きを感じることがありません。
ヤンキー用語の混じった勢いとノリのある掛け合いには独特の面白さがありますしね。
まあ、その分中身がオタクな一般人である主人公の苦労っぷりには同情してしまいますが。
彼に好意を寄せるヒロインたちにしても、全員どこかネジが外れているからなぁ…
本筋は来たるべき魔神勢力との戦争に向けて、五王国を一致団結させるべく主人公たちは旅をする。
という方向性で進むようですが、ちゃんと区切りがつくまでネタが続くのだろうかこれ。