再演世界の英雄大戦 三原みつき(富士見ファンタジア文庫)
神を殺し世界を変えるため少女達の英雄魂を救う、英雄譚のその先を紡ぐ救済と覚醒の物語。
大枠としては神という存在が公然と認識されている世界観での学園異能バトルものですね。
味方は英雄の魂を持つ者、敵は神ということでスケールの大きさと派手さは申し分なし。
英雄たるヒロインたちはトラウマが解消される(デレる)ことで強くなるという設定があるため
イチャイチャなラブコメイベントを多く発生させる必然性があるのも嬉しいところ。
教官ものとしての要素もちゃんと描写されていますし、読みごたえは十分かと。
ラブコメ面はまずメインヒロインのクレールが陥落。一巻ずつヒロインが増えていく感じっぽい?
主人公はエリーン国立騎士学園学園の臨時講師を務めることになった元暗殺者。
古文書(ラノベ)によって萌えに開眼し、世界にラブコメを蘇らせることを目的としている。
常に自分に正直であり、嘘をつけない性格。大事なのは「楽しむ」ことだという考え方の持ち主。
大事な人を持たなかったパラケルススの魂を身に宿している影響で、他人を大事に思いすぎるところがある。
ヒロインはポンコツ生徒会長、野心家なチビっ子、気怠けなイケメン娘、毒舌無邪気っ子。
サブにロリババア義母、他にもヒロインに昇格しそうな存在がチラホラと。
一番のお気に入りはアレキサンダーの魂を宿すイケメンな教え子、シャンドール・バシレイウス。
背が高く、かわいらしいというよりもハンサムといった感じのシャープな美貌を有する美少女。
右目が赤、左目が緑のオッドアイで、格好いい見た目に反して人一倍おっぱいが大きい。
いつも気怠げで諦め癖があり、やる気のない態度ばかりを見せているが
素顔は真面目でプライドが高く、そのくせ繊細で臆病者と豆腐メンタルなところがある。
現時点(一巻)においての評価はC。
同情の余地のない外道で強大な敵を倒し、神殺しを成し遂げていくという爽快感と浪漫がたまりません。
……ただ、前作「魔技科の剣士と召喚魔王」で味方だった神が今作では悪役なのは複雑ですが。
キャラに関しては、主人公が元暗殺者ということで殺し合いの空気に場慣れしているのが頼もしい。
また、彼はラブコメ展開に対しても結構積極的なのでイライラが積もらないのもいいですね。
ヒロインたちも英雄の魂を宿しているとはいえ、年頃の乙女らしく色恋には初心で可愛いですし。
本筋は世界を管理している神々を打倒し、人の世を取り戻すという目標に向かって戦う主人公たちの姿が
描かれていくようですが、その過程でヒロインたちの攻略も進めていく形になる模様。
神々の思惑や、物語上の重要な鍵になると思われる三聖女の存在なども気になるところ。