特殊性癖教室へようこそ 中西鼎(角川スニーカー文庫)
問題児たちが贈る学園性癖エロコメディストーリー。
大枠としては教師ものですね。ただ、生徒の欠点や悩みを解決し更生していく従来の教師ものの方針とは異なり
その逆、生徒たちの特殊な性癖を伸ばすことが目的とされているためかなり頭の悪い内容になっています。
テーマが特殊性癖ということで当然挿絵を筆頭にエロ描写は満載、というか変態多すぎィ!
本番さえしなければ何をやってもセーフ! と言わんばかりの振り切りっぷりに戦慄を覚えますね。
ラストは本性を現したラスボス的特殊性癖生徒との勝負に勝利し、特殊性癖教室の担任として認められ
そし、これからも主人公は特殊性癖教室の教師として生徒たちを教え続けるのだったエンド。
ラブコメ的にはメインヒロインの恭野文香と結ばれるところまでは行かずも良い雰囲気になって終了。
主人公は初めて受け持ったクラスが特殊性癖教室だった新卒教員の青年。
元々教師になるつもりはなく、就活に失敗したため仕方なく祖父が運営している私立校で働くことに。
ちゃらんぽらんで責任感がなく、調子乗りやすい上欲望に流されやすい性格をしており
良く言えば裏表のない、悪く言えば取り繕うことがド下手な、自身の評価を乱高下させてしまうタイプ。
インドア派で、エロ漫画を読むのが趣味。
ヒロインは清純派委員長、引っ込み思案な眼鏡娘、処女ビッチ、引きこもりケモナー。
特に際立ってお気に入りのヒロインはなし。
評価はC。
新卒教員の身で変態問題児だらけのクラスを受け持つことになり、アブノーマルな日々を過ごさなければ
ならなくなるなんて主人公悲惨すぎる……と同情しかけたけど、彼も普通にクズかったので問題なし。
いやまあヒロインたちを含む生徒たちの変態っぷりのほうが目立ちすぎているだけではあるのですが。
というか、主人公がまともだったら三日たたずにノイローゼになるでしょうからねこの環境だと…
何せモブキャラですら火炎性愛や刺青性愛みたいなハイレベルな性癖持ちなわけですし。
まあ、それでも引っ張りに引っ張ったメインヒロインの恭野文香の本性にして特殊性癖には驚きましたが。
本筋は最後こそ良い話っぽく纏められてはいたものの、そもそも話の軸が特殊性癖という要素ありきなので
笑えるけれど恐ろしい、エロいけど興奮しない。という不思議な読み味だった印象。